研究課題/領域番号 |
16380103
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
林学・森林工学
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
山本 福壽 鳥取大学, 農学部, 教授 (60112322)
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研究分担者 |
伊藤 進一郎 三重大学, 生物資源学部, 教授 (90092139)
佐野 淳之 鳥取大学, 農学部, 教授 (60283975)
岡 真理子 鳥取大学, 農学部, 講師 (20324999)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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キーワード | サリチル酸 / エチレン / ジャスモン酸 / 脂漏病 / ヒノキアスナロ / ヒノキ |
研究概要 |
木本植物の樹幹の樹脂分泌とジャスモン酸 木本植物の樹幹における樹枝分泌にはエチレンとともにジャスモン酸が関与していることが明らかになった。ジャスモン酸(methyl jasmonate)処理によって樹脂道の分化と樹脂分泌が促進された樹種は、広葉樹ではウコギ科(Araliaceae),バラ科(Rosaseae)およびウルシ科(Anacardiaceae)の樹種であった。また針葉樹ではヒノキ科(Cupressaceae)のヒノキ(Chamaecyparis obtusa)とヒノキアスナロ(Thujosis dolabrata)およびスギ科(Taxodiaceae)のスギ(Cryptomeria japonica)であった。 ヒノキおよびヒノキアスナロの漏脂病発症におけるエチレン、ジャスモン酸、およびサリチル酸の生理作用 ヒノキおよびヒノキアスナロの漏脂病発症におけるCistella japonicaの関与を確認した。また傷害部ではエチレンおよびジャスモン酸が樹脂道分化及び樹脂分泌に重要な役割を果たしていることを認めた。しかし無傷の樹皮ではジャスモン酸およびエチレンの存在下でサリチル酸が極めて顕著な樹脂道分化及び樹脂分泌の促進作用を持つことが明らかとなった。ヒノキではサリチル酸ナトリウム(SA-Na)0.01%、エチレン(Et)1%、およびプロヒドロジャスモン(Pro-JA)1%の混合処理によって、樹脂流出量、樹脂道の断面積ともに顕著に増加することが確認された。ヒノキアスナロではサリチル酸メチル(SA-Me)0.01%とEt1%およびジャスモン酸メチル(JA-Me)1%と組み合わせで促進効果が認められた。この結果、比較的低濃度のサリチル酸が、エチレン及びジャスモン酸の存在下で樹脂道の分化、樹脂分泌を促進することがわかった。
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