研究概要 |
1.可動切断機構の性能評価 切断機としてエンドミルを用いた切断ユニットを平成17年度までに製作してきた.この切断ユニットで用いる切断機は,これまでそれぞれ形状が類似しているルーター刃,エンドミル,ラフィングエンドミルを検討していたが,実際の枝に対する切断能力を比較検討した.すなわち,フライス盤の主軸にそれらの切断機を設置し,フライス盤のテーブルに固定した切削動力計の上に実験用にあらかじめ採取したスギの枝を固定した.このとき,フライス盤の主軸を稼動するとともに,テーブルを自動的に一定速度で送ることによって,切削動力計上のスギの枝を回転している切断機に向けて移動させ,切断時の負荷を計測した.結果として,他の切断機と比較して,ラフィングエンドミルが最も小さな力で安定して枝を切断することが可能であることを確認した.また,ラフィングエンドミルを切断機として搭載した切断ユニットを用いて,森林内のスギの立木に対して枝打ちの実験を行い,枝打ちが可能であることを確認した. 2.枝認識システムの実環境への適用 枝を検出し,その位置を認識するシステムとして,Occupancy Gridに基づいた確率的な推測手法を平成17年度までに提案してきた.ここでは,これらのシステムを実環境に適用するための考察を行い,枝の位置を記録したマップの圧縮手法およびセンサ位置の補正手法を改めて提案した.実際の樹木は,高さが増すにつれて樹径が細くなり,またロボットが樹木を昇るにつれて,スリップや滑落の影響からロボット自身(センサ)の位置にずれが生じる.これらは,マップ作成における精度向上を図る上で,不可欠な要素技術である.
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