研究概要 |
本研究では,切断機を小型化することによって,湾曲や凹凸のある樹木に対しても損傷を与えることなく作業を行うことができる枝打ちロボットの開発を目指す.切断機を小型化することによる切断可能領域の縮小にともなつて,検出した枝に対して切断機を移動する能動的な切断の概念が必要になる.これに対して以下の開発を行った. 1.移動プラットフォーム ら旋昇降を行う移動プラットフォームを4台製作した.この結果,安定して樹木を昇降することが可能になった. 2.計測システム 枝を検出し,その位置を認識するための計測システムとして,距離計測システムおよび直径計測システムを開発した.距離計測システムは樹木の根元方向から鉛直上向きに枝までの距離を計測する.また,直径計測システムは,移動プラットフォームが設置されている高さにおける樹木の直径を計測する. 3.枝認識システム 各計測システムから得られた情報を用いて,Occupancy Gridのモデルに基づいて確率的に枝の位置を推定する.このとき,樹木の表面のような曲面における計測特性を実験を通して明らかにし,枝検出に特化したモデルを提案した.また,実際の森林への同システムの適用を意識して,マップ圧縮手法およびセンサ位置補正手法を提案した. 4.切断ユニット 小型な切断機を選定するために,各種切断機の特性を比較した.また,3種類の切断機について切断時の抵抗を計測し,最も小さな力で安定して切断可能である切断機としてラフィングエンドミルを見出し,それを用いた切断ユニットを開発した. 5.切断機の動作計画 枝認識システムによって認識された枝とそれらの上方に存在して検出することができない隠れ枝とに分類して,小型な切断ユニットを用いて,能動的な切断を実現するための動作計画アルゴリズムを提案した.
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