研究概要 |
研究項目1)灌水を制限して育成したマツ苗木の木部のキャビテーション感受性の変化が,マツの水ストレス回避にはたす役割(担当,池田・シュペリー) 平成15年度に準備していたクロマツ鉢植え苗に対して水ストレスを誘導するために,4月上旬より苗木に2段階の灌水条件を設定した(ガラス室内)。一つは毎日灌水する区,他は週に一回灌水をする区とし,あと処理でマツに水ストレスを与えた。以上の処理を行ったマツにかかる水ストレスの程度を評価するため,定期的に針葉の水ポテンシャルの最低値(正午前後)と最高値(夜明け直前)をプレッシャー・チャンバーで,蒸散速度や気孔コンダクタンスをスーパーポロメーターで測定した。鉢の土壌の含水量も測定する。苗木の内,半数の苗木について,平成16年10月にシュートのP-V曲線を作成してマツの水分生理特性をもとめ,水不足に対する浸透調節能力を評価する。さらに,マツ木部のvulnerability curveを作成してキャビテーションに対する感受性を評価した。 アメリカへの海外出張し、水ストレスに対するsafety marginの解析を行った。 研究項目2)亜高山帯から高山帯への移行帯に分布するオオシラビソの扁形樹形の形成におよぼすキャビテーションの影響(担当,池田・丸田・シュペリー) 研究を行う場所は,北アルプスの南端に位置する乗鞍岳東斜面の亜高山帯上限から高山帯への移行帯(標高約2500〜2600mに)である。 現地での測定項目:オオシラビソのシュートの水ポテンシャルの最低値(正午前後)と最高値(夜明け直前)をプレッシャー・チャンバーで,蒸散速度や気孔コンダクタンスをスーパーポロメーターで測定した。 ・研究室での測定項目:オオシラビソ木部のキャビテーション感受性の評価のために,現地で採取した試料のvulnerability curveを作成した。
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