研究概要 |
研究項目1)灌水を制限して育成したマツ苗木の木部のキャビテーション感受性の変化が,マツの水ストレス回避にはたす役割(担当,池田) 平成16年度と17年度に行った生理生態的実験とキャビテーション感受性に関する実験に用いた2段階の灌水条件下で育成したマツ苗木について、vulnerability curveを作成したマツ木部の解剖学的特性、特に仮道管と壁孔の形態の特性を明らかにし、木部キャビテーション発生機構の解明につなげ、本研究のとりまとめを行った。さらに、ポルトガル・リスボン市で開催された国際会議(PINE WILT DISEASE : a worldwide threat to forest ecosystems)に海外出張し、マツの様々な特性に関する最新の情報を得ることができた。 研究項目2)亜高山帯から高山帯への移行帯に分布するオオシラビソの偏形樹形の形成におよぼすキャビテーションの影響(担当,池田・丸田) 北アルプス南端に位置する乗鞍岳東斜面の亜高山帯上限から高山帯への移行帯(標高約2500〜2600mに)に分布するオオシラビソが研究対象である。 平成16年度と17年度に行ったキャビテーション感受性に関する実験に用いたオオシラビソ木部の解剖学的特性、特に仮道管と壁孔の形態の特性を明らかにし、木部キャビテーション発生機構の解明につなげ、本研究のとりまとめを行った。 研究項目3)針葉樹各種のキャビテーション感受性評価(担当、池田) 昨年度まで本研究で用いたマツとオオシラビソ以外の種、スギとヒノキについてもキャビテーション感受性の評価をおこない、既知の外国産針葉樹との比較から日本産針葉樹のキャビテーション発生に関する特性を明らかにした。
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