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2006 年度 研究成果報告書概要

樹木の水分通導調節による水ストレス回避機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16380110
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 林学・森林工学
研究機関京都府立大学

研究代表者

池田 武文  京都府立大学, 農学研究科, 教授 (50183158)

研究分担者 丸田 恵美子  東邦大学, 理学部, 助教授 (90229609)
研究期間 (年度) 2004 – 2006
キーワードウロマツ / エンボリズム / キャビテーション / オオシラビソ / 水分生理特性 / 水ストレス
研究概要

研究項目1)灌水を制限して育成したマツ苗木の木部のキャビテーション感受性の変化が,マツの水ストレス回避にはたす役割
クロマツは水欠差に対して、葉の浸透ポテンシャルを調節することで膨圧を保ち、かつ葉が萎凋しないように高い水ポテンシャルの段階で気孔を閉じ、樹体からの水の損失を防ぐ適応方法をとっており、キャビテーションによる水分通道機能の低下は樹体水分の調節機構としては機能しない樹種であることがわかった。
研究項目2)亜高山帯から高山帯への移行帯に分布するオオシラビソの偏形樹形の形成におよぼすキャビテーションの影響
亜高山帯から高山域への移行帯に分布するオオシラビソの偏形樹形は、積雪上部シュートのキャビテーション感受性が高いために、容易に水分通道機能を失い、葉、ひいては枝の枯死をまねきやすい状態になっていることが原因で形成されることがわかった。
亜高山帯から高山域への移行帯に分布するオオシラビソと高山域に分布するハイマツの葉が春に褐変化する原因の一つとして、これまでは冬期の強風により氷切片が葉に吹き付けられることで傷つき、その結果葉からの脱水が促進され、萎凋枯死すると考えられていた。このことを形態学、解剖学的に確認したところ、ハイマツの葉では傷が確認できたが、オオシラビソでは傷は確認できず、オオシラビソに関しては従来の考えは誤りであることがわかった。
研究項目3)針葉樹各種のキャビテーション感受性評価
日本のおける代表的な針葉樹であるスギ、ヒノキ、ハイマツそして本研究で扱ったクロマツ、オオシラビソのキャビテーション感受性を比較すると、土壌条件や気象条件の良くない箇所でも生育可能なマツ科樹木は、より良好な立地に生育するスギ、ヒノキに比べて木部のキャビテーション感受性は高く、水欠差への対応はキャビテーションによる水分通道機能の低下を抑制するために、葉の水ポテンシャルが高い段階で葉による蒸散の調整を行なう樹種であることが明らかになった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2006 その他

すべて 雑誌論文 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 天橋立のマツ枯れ対策とマツ林の保全2006

    • 著者名/発表者名
      中邑 勝, 池田 武文
    • 雑誌名

      森林防疫 55・12

      ページ: 250-254

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Control program of pine wilt disease and conservation of pine forest at "Amanohashidate"2006

    • 著者名/発表者名
      Nakamura, M., Ikeda, T
    • 雑誌名

      Forest Pests Vol.55

      ページ: 250-254

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [雑誌論文] Control program of pine wilt disease for landscape conservation

    • 著者名/発表者名
      Ikeda, T.
    • 雑誌名

      Springer (in press)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [図書] Control program of pine wilt disease for landscape conservation

    • 著者名/発表者名
      Takefumi Ikeda
    • 出版者
      Springer(印刷中)
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2008-05-27  

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