研究課題/領域番号 |
16380117
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤田 稔 京都大学, 農学研究科, 教授 (60026599)
|
研究分担者 |
高部 圭司 京都大学, 農学研究科, 助教授 (70183449)
吉永 新 京都大学, 農学研究科, 助手 (60273489)
粟野 達也 京都大学, 農学研究科, 助手 (40324660)
川村 弘一 和歌山共同建材(株), 研究顧問
中村 達男 住江織物(株), テクニカルセンター, 次長
|
キーワード | イネ籾殻 / バイオマス / シリカ / 多孔性セラモック / ナノポアシリカ / バイオマスエネルギー / シリカ-カーボン複合体 / バイオリアクター |
研究概要 |
本研究では1:シリカで覆われたイネ籾殻自体の基本構造の解明、2:籾殻灰の微細な多孔性を演出する立体的ナノ構造の創出、3:製品開発のための標準籾殻灰の選定と入手、4:植物・微生物培養基材の試作、の4段階で研究を進めたので、各々の成果を順に示す。1:日本産イネ籾殻(ジャポニカ種)を育成し、籾殻の発達過程とシリカ堆積を経時的に追跡調査した。そして籾殻組織の基本構造が開花直後に整えられ、種子よりも短期間で成熟することをたしかめた。とくに焼成時の温度・酸素供給・時間により薄いガラス状籾殻のシリカ層に30ナノメートル程度の細孔を発見した。これを含めて籾殻由来の各種原料の形態および物性を解析して、ナノポア構造がバイオリアクター機能に大きく影響することを見いだした。そして焼成条件の調製で100ナノの細孔を穿つことに成功し、籾殻焼却灰の化学反応性を向上させた。3:燻炭は別として籾殻の焼却灰は国内では生産されていない。そこでタイ国の精米工場など、インディカ種の籾殻灰生産状況を現地調査し、シリカとカーボンの含有量や形状から臨海地の特定のプラントで生産された籾殻灰を標準籾殻灰として選定した。そしてこれを約10トン購入し、成形加工する段取りを整えた。この標準試料は籾殻灰からの環境修復材料の試作に使用し、また国内での籾殻灰供給のプラント設計のたたき台とする。4:国内での籾殻灰生産には大量消費が必須となる。そこで籾殻灰を主原料とし、大量に消費するする製品開発について、セラミックの高温焼成に加えて、セメントや石膏、また生分解性プラスチックを用いた安価な湿式成形に着手した。そしてヨシなどの湿性植物の苗の入手や育成場所を整備した。
|