研究課題/領域番号 |
16380117
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤田 稔 京都大学, 農学研究科, 教授 (60026599)
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研究分担者 |
今村 裕嗣 京都大学, 生存圏研究所, 教授 (70151686)
高部 圭司 京都大学, 農学研究科, 助教授 (70183449)
中村 薫 京都大学, 化学研究所, 助教授 (10101239)
西村 和男 フィールド科学教育研究センター, 講師 (50135547)
吉永 新 京都大学, 農学研究科, 助手 (60273489)
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キーワード | 籾殻 / ポーラスセラミック / 燻炭 / バイオリアクター / ヨシ |
研究概要 |
イネの籾殻はコメに付随して毎年確実に生産されるバイオマス資源であるが、重量比で20%もの植物シリカが問題となる。籾殻から燃焼エネルギーを回収できると同時に、広くCO2環境に有効であるが、非常には嵩張る籾殻の灰(粉末や非晶質シリカへの懸念)が二次公害を引き起こすこともある。そこで嵩張ったシリカの原因と、新規に比較的低温度でのセラミック焼成に活用できた。 (1)籾殻を出発として、まず籾殻表面のクチクラ層を簡単な熱処理(ロースト処理)で除去できた。目的に応じて籾殻の活性が向上できた。(2)化学成分処理としては、脱リグニン・脱多糖類の細胞壁形態を観察し、またフッ化水素(脱シリカ)を走査電顕して詳細に検討した。(3)細胞壁-シリカの形態を精査したところ、数次の規則正しい多層構造が解析された。具体的には数ミリメータの複雑な組織構造、ミクロな蜘蛛状かつ縫合状の複雑な湾入構造、細胞壁実体と表層のシリカとのミクロなサンドイッチ構造、そしてシリカの数ナノメータの超多孔構造まで詳細に解析できた。(4)籾殻の灰の利用については、新規セラミック焼成の機能化を実現した。多孔性の粉末から操作性のよい粒状化へと、製品の作業性が改善できた。(5)燃焼後には微量の炭化により、多孔性(空隙性)や強度、またカーボン表面の物性が向上した。(6)一方、白色の純粋シリカも調整できた。化成品としての応用が期待できる。また研究目的に応じて、セラミックに加工できた。(7)多孔性の環境保全材料として、琵琶湖などのヨシの育成、磯焼けの防止としての青さの育成、汚水浄化、道路・建築面での打ち水効果などに取り組んでいる。
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