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2006 年度 実績報告書

天然魚における魚類ノダウイルスの分布とその分子疫学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 16380132
研究機関広島大学

研究代表者

中井 敏博  広島大学, 大学院生物圏科学研究科, 教授 (60164117)

研究分担者 植松 一眞  広島大学, 大学院生物圏科学研究科, 教授 (00116542)
冲中 泰  広島大学, 大学院生物圏科学研究科, 助教授 (80363034)
森 広一郎  独立行政法人水産総合研究センター, 上浦栽培漁業センター, 技術開発官 (10426314)
菅谷 琢磨  独立行政法人水産総合研究センター, 上浦栽培漁業センター, 技術開発官 (30426316)
キーワード魚病 / ベータノダウイルス / 魚のウイルス病 / ウイルス生態 / 分子疫学 / リアソータントウイルス
研究概要

天然魚由来魚類ノダウイルス(ベータノダウイルス)について、本年度得られた研究結果は以下のように要約される。
1.ポリメラーゼ遺伝子(RNA1)の解析
新規に病魚由来22株のベータノダウイルスRNA1の塩基配列(ほぼ全長)を解読し、既報の6株の配列を加えて相同性解析を行なった結果、RNA2(外被タンパク質遺伝子)に基づくグループ化と同じく、4タイプ(RGNNV, SJNNV, BFNNV, TPNNV)の系統的類縁関係が認められた。
2.分子疫学・進化学的解析
1)病魚由来ウイルスは同じタイプのRNA1とRNA2を対で有しており、分節ゲノム間の組み換え(リアソータント型)は確認されなかった。
2)天然魚より44種のRNA1配列および36種のRNA2配列を得た。これらの配列について解析したところ、異なるタイプの分節ゲノムを有するリアソータント型ウイルスか約20%認められた。
3)RNA1あるいはRNA2配列の相同性解析から分子系統樹を作成したところ、天然魚ウイルスのみから構成されるサブグループの存在が確認された。また、天然魚からは既存の4タイプのいずれにも属さないウイルスも検出された。
4)本年度供試した天然魚(非増養殖環境で採捕)では、良好な増殖性(E-11細胞)を示す株は得られなかった。
これらの結果から、天然魚ウイルスでは各分節ゲノム配列の遺伝的多様性が高く、かつ分節ゲノム交換による多様性も確保されていると考えられる。病魚ウイルスと天然魚ウイルス間の遺伝的差異と、それらの細胞感染性(増殖性)または病原性との間には関連性があると考えられるが、特定の配列についての情報は得られなかった。以上の結果に基づいて、本ウイルスの伝搬経路および進化様式ならびに本病の防除対策について考察した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 魚類のウイルス感染症の現状と対策(総説)2007

    • 著者名/発表者名
      中井敏博
    • 雑誌名

      防菌防黴誌 35(2)

      ページ: 119-129

  • [雑誌論文] Betanodavirus infection in the freshwater model fish medaka (Oryzias latipes)2006

    • 著者名/発表者名
      Furusawa R., Okinaka Y., Nakai T.
    • 雑誌名

      Journal of General Virology 87

      ページ: 2333-2339

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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