研究課題
基盤研究(B)
本研究は、これまでに同定されているコイ補体成分C3、C4、C5、B因子、C1r/s、MASP、およびI因子のアイソタイプ間の機能分化を、遺伝子およびタンパク質レベルで解析し、補体遺伝子多重化の生物学的な意義を解明することを目的とした。まず、B因子アイソタイプとC3アイソタイプとのタンパク質間相互作用をQCM装置によって解析したところ、B/C2-A1よりもB/C2-A3の方が、C3に対して有意に高い親和性を示し、この高親和性が、B/C2-A3がC3-SアイソタイプとD因子非依存的にC3転換酵素を形成する現象を部分的に説明できる事が判明した。また、上記補体成分アイソタイプmRNAの組織分布をRT-PCR法によって検討したところ、C4、B因子、C1r/sおよびI因子のアイソタイプ間で、産生臓器に違いが認められた。さらに、これらアイソタイプ間の発現パターンの差異がどのような転写制御によるものかを解明するために、λFIXベクターを用いたコイゲノムDNAライブラリーを構築した。まずB/C2-A1アイソタイプ遺伝子を含む約15kbpのゲノムDNA断片をクローニングし、この遺伝子の上流領域の塩基配列を解析したところ、B/C2-A1の肝臓特異的な発現を裏付ける、いくつかの転写調節エレメントが同定された。さらに、B/C2-A1とは大きく異なる発現部位・応答性を示すB/C2-A3アイソタイプについても遺伝子上流領域の塩基配列を解析しB/C2-A1アイソタイプとはことなる転写調節エレメントが同定された。
すべて 2004
すべて 雑誌論文 (5件)
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