研究課題/領域番号 |
16380138
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
山森 邦夫 北里大学, 水産学部, 教授 (80012029)
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研究分担者 |
天野 勝文 北里大学, 水産学部, 助教授 (10296428)
加戸 隆介 北里大学, 水産学部, 助教授 (40161137)
河野 迪子 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (70092202)
古川 清 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (40134514)
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キーワード | フグ / フグ毒 / テトロドトキシン / 稚魚 / 餌生物 / 毒化 / クサフグ / コモンフグ |
研究概要 |
1.宮城県本吉町大谷漁港と日門漁港におけるフグ科魚類稚魚の成長と毒性9月5日から11月16日までに13日間の採集を行い、クサフグを計688尾、コモンフグを計167尾採集した。群れはこの間に大きく成長した。耳石から推定した孵化日はクサフグでは6月25日〜8月15日、コモンフグでは6月29日〜8月12日に分布した。孵化日が特定の日に集中することはなく、産卵は複数回行なわれることが示唆された。群れへの新規加入はクサフグでは多く、コモンフグでは少ない傾向があった。全般的に毒化程度は前年より低かった。個体別毒量はクサフグでは9月下旬に高くその後減少する傾向、コモンフグでも同様の傾向が見られた。毒量の増減は餌生物中の毒源の増減を反映していると考えられるが、フグが取り入れた毒は排出されにくいことから、毒量の減少は解釈が難しい。群れの構成者が入れ替わるとの仮説は孵化日の移動が少ないことから考えにくかった。 2.越喜来湾内での籠飼育による無毒養殖クサフグ稚魚の毒化試験越喜来湾内の鬼沢漁港と袖ノ沢沖の2ヶ所の海中で、7月20日〜11月11日に約半月間の養殖クサフグ稚魚の籠飼育を繰り返した。袖の沢沖では全期間毒化しなかったのに対し、鬼沢漁港では7月26日〜8月6日、8月9日〜8月21日、8月21日〜9月6日の3期間で毒化し、それ以降は毒化しなかった。 3.プランクトン分離濃縮装置によるプランクトンの連続採集とそれによる無毒養殖クサフグ稚魚の飼育上記籠飼育試験における毒化原因餌生物を絞り込む目的で、鬼沢漁港で水中ポンプを使用して海水を汲み上げ、プランクトンネットで分離濃縮したプランクトンで養殖クサフグを半月間飼育する実験を7月9日〜11月1日に繰り返した。その結果、上述の籠飼育実験で毒化した時期はほとんど毒化せず、9月1日〜9月16日に強く毒化し、9月16日〜9月30日も毒化したが、それ以降は再び毒化しなかった。
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