研究課題/領域番号 |
16380138
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
山森 邦夫 北里大学, 水産学部, 教授 (80012029)
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研究分担者 |
天野 勝文 北里大学, 水産学部, 助教授 (10296428)
加戸 隆介 北里大学, 水産学部, 助教授 (40161137)
河野 迪子 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (70092202)
古川 清 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (40134514)
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キーワード | フグ稚魚 / フグ毒 / テトロドトキシン / テトロドトキシン結合タンパク / 餌生物 / 毒化 / クサフグ / コモンフグ |
研究概要 |
1.天然餌生物による無毒養殖クサフグ稚魚の毒化 無毒の養殖クサフグ稚魚は特定の場所(例えば岩手県越喜来湾鬼沢漁港)で特定の時期に海中籠飼育することにより毒化した(2001-2004)。また同漁港内で分別濃縮した天然餌生物を与えて特定の時期に養殖クサフグ稚魚を飼育すると毒化した(2002-2004)。そこで毒化源と考えられる餌生物の絞り込みを目的として2005年も同様の飼育実験を行なった。籠飼育実験 8月前期から毒化し、8月後期に37-65MU、9月前期に60-207MU毒化した。天然餌生物投与飼育実験 0.3-2.0mmの大型餌では9月前期に43MU、0.1-0.3mmの小型餌では9月後期に29MU、0.1mm以下の極小型餌では10月前期に27MUのそれぞれ毒化ピークを示した。餌が小型になるに伴い、毒化時期が遅れる傾向がみられた。 2.無毒養殖クサフグ稚魚の毒化時期に出現するプランクトン 上記の天然餌生物投与飼育実験において2004年の養殖クサフグが毒化した時期に回収された天然餌料中に出現する餌料生物を調べ、毒の由来について検討した。養殖クサフグの毒化量が上昇した9月前期および9月後期の出現プランクトン中に出現したのは、大型餌料区では、ヒドロクラゲ類、立方クラゲ類、ヨコエビ類、クーマ類、ヤムシ類、貝形虫類、橈脚類であった。小型餌料区では、橈脚類、ヨコエビ類、クーマ類、ベリジャー幼生であった。 3.フグ毒結合タンパク質のフグ科魚類稚魚における分布 クサフグの血漿からテトロドトキシン(TTX)と結合するTTX結合タンパク質(TBP)を先に同定した。そこで,TBPの生理機能を解明する端緒として、クサフグとヒガンフグにおけるTBPの分布をウェスタンブロッティング法と免疫組織化学法とで調べた。その結果、フグ科魚類ではTBPが血漿中だけではなく皮膚・粘液中にも存在することが判明し、それらのTBPがTTX分泌に関与することが示唆された。
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