研究課題/領域番号 |
16380140
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 独立行政法人国立科学博物館 |
研究代表者 |
松浦 啓一 国立科学博物館, 動物研究部, 室長 (70141984)
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研究分担者 |
篠原 現人 国立科学博物館, 動物研究部, 研究官 (10280520)
矢部 衞 北海道大学, 水産学部, 助教授 (80174572)
遠藤 広光 高知大学, 理学部, 助教授 (50284427)
瀬能 宏 神奈川県立生命の星・地球博物館, 主任研究員 (80202141)
大塚 泰介 滋賀県立琵琶湖博物館, 学芸員 (60344347)
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キーワード | 魚類 / 同定 / スズキ亜目 / 種 / コンピュータ / インターネット / データベース |
研究概要 |
今年度はスズキ亜目魚類の同定ツールに使用できると思われる計測形質(鰭の棘数や軟条数)や測定形質(体長、体高、頭長など)の具体的な選定作業を行うため、研究会議を開き計測形質については4形質、測定形質については8形質を決定した。また、質的形質(例、側線の有無など)も5形質を決定した。そして、今後の作業時間を推定するために、実際に大量の標本を用いてこれらの形質を測定した。予備的作業に使用した魚類はスズキ亜目の10科11種である。使用した魚種はサクラダイ(ハタ科)、ヒメコダイ(ハタ科)、タカベ(タカベ科)、オキヒイラギ(ヒイラギ科)、ミナミクロダイ(タイ科)、ネンブツダイ(テンジクダイ科)、イサキ(イサキ科)、ムツ(ムツ科)、スズキ(スズキ科)、ホタルジャコ(ホタルジャコ科)およびコトヒキ(シマイサキ科)である。これらの魚種すべてについて、それぞれ80個体から100個体を測定した。これらの測定作業に基づいて、標本の大きさや個体による変異、地方個体群による変異などが明らかになった。実際に、同定ツール作成作業を行うためには、変異幅がどの程度あるかを予測しておくことが必要となる。変異幅を正確に知ることは同定精度を高めるために必須となる。 今年度の研究によってスズキ亜目魚類の典型的な代表と言える上述の10科11種の基本的データを収録し、同定ツール作成のための統計プログラム構築の基盤ができたと言える。また、同時に、今後の研究に使用するスズキ亜目の標本が全国の研究機関にどのくらいあるかを調査した。その結果、参画研究機関の手元にかなりの数の標本が保管されている事が明らかになると同時に、当初、予想したとおり、新たに採集しなければならない魚種もかなり存在することも明らかとなった。
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