研究課題/領域番号 |
16380140
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研究機関 | 独立行政法人国立科学博物館 |
研究代表者 |
松浦 啓一 独立行政法人国立科学博物館, 標本資料センター, コレクションディレクター (70141984)
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研究分担者 |
篠原 現人 独立行政法人国立科学博物館, 動物研究部, 主任研究員 (10280520)
矢部 衛 北海道大学, 水産学部, 教授 (80174572)
遠藤 広光 高知大学, 理学部, 助教授 (50284427)
瀬能 宏 神奈川県立生命の星・地球博物館, 主任研究員 (80202141)
大塚 泰介 滋賀県立琵琶湖博物館, 学芸員 (60344347)
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キーワード | 魚類 / 同定 / スズキ亜目 / 種 / コンピュータ / インターネット / データベース |
研究概要 |
魚種を同定(種名を決める作業)する場合、形態的特徴から科などの上位分類群を決定し、次に属を、そして最終的に種を決定するというように、より大きなグループから小さなグループへ数段階に渡る絞り込み作業を行う必要があった。本研究は従来の方法とは異なり、グループの決定を行わずにダイレクトに種を決定できる方法を創案した。近年のコンピュータ技術の向上により、大量のデータを短時間で処理できるようになったため、種の同定に有効な形質のデータベースを構築し、それを使用して種を同定するシステムを作成することが可能になった。本研究では、産業上重要な種を多く含むスズキ亜目魚類を例に、コンピュータを用いて種同定をダイレクトに行うシステムを構築した。 平成18年度には亜熱帯性魚類のタイ科やホタルジャコ科などの各種につき約30個体の標本測定を行い、これらの魚類のデータを収集し、同定システムの構築に役立てた。また、シクリッド科魚類については大量のデータが収集されているため、スズキ亜目魚類の中でも最も正確な同定が可能となった。シクリッド科魚類の同定システムについては国立科学博物館のWEBサイトに公開し、誰でも、いつでもダウンロードして使用できるようにした。この同定ツールはマイクロソフトのエクセル上で動作するため、エクセルをパソコンにインストールするだけで使えるようになる。したがって、コンピュータに関する詳しい知識がない研究者でも十分に使用できる。 また、本研究を通じて日本産魚類の新種が発見されたり、魚類相研究にも新たな進展があったので、これらの成果は学術論文として発表した。また、同定ツールそのものに関する論文も学術誌に投稿し、受理されている。
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