研究課題/領域番号 |
16380148
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
石田 正昭 三重大学, 生物資源学部, 教授 (80144228)
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研究分担者 |
波夛野 豪 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (30249370)
徳田 博美 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (20346000)
中原 准一 酪農学園大学, 環境システム学部, 教授 (60048121)
増田 佳昭 滋賀県立大学, 環境科学部, 助教授 (80173756)
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キーワード | コミュニティビジネス / 循環型社会 / 産学官連携 / 景観資源 / CSA / コジェネシステム |
研究概要 |
本年度は(1)森林資源を活用した持続型社会を行政レベルで先進的に構築しているスウェーデンのベックショー市、(2)観光を組み合わせたワイン産地として有名なフランスのアルザス地方、(3)有機農業や有機農産物の製造、生産者直売の農民市場、農場ホテル等に取り組んでいるスイス・ドイツ(ボーデン湖周辺)の事例を調査した。以下はその要約である。 (1)スウェーデンのベックショー市(森林資源を活用したコミュニティビジネス) ベックショー市では二酸化炭素の排出削減を具体的目標として掲げ、森林資源を活用したコジェネレーションシステムをいち早く確立した。この原動力となったのは湖沼の汚濁を契機として環境負荷を減らそうと決意した市長とそれに続く地域の事業者であった。政府と市場が連携したコミュニティビジネスである(大学も含めると産学官連携の成果) (2)フランス・アルザス地方(ワイン・観光を組み合わせたコミュニティティビジネス) アルザスのワイン街道はアルザス地方西部のヴォージュ山脈の東山麓に広がるブドウ畑の中を南北170kmにわたって走る街道であり、その間におよそ百の村が点在している。ほぼ平坦な園地から傾斜のきつい園地まで多様な園地が混在し、ワインの品質格差は大きい。しかし、この地域がコミュニティビジネスを成功させた理由は、ブドウ畑とそれが織りなす景観、歴史的町並みが保全された美しい村が観光資源となっているからである(景観資源の成立)。 (3)スイス・ドイツ(ボーデン湖周辺)(CSAをベースとしたコミュニティビジネス) 生産者と消費者による共同出資によって最もCSAに近い形態で農場運営がなされている農業協同組合の存在と、有機農業のプロトタイプである「生産者から消費者に直接農産物を提供」していた団体が、経営悪化によって卸売会社に形態と業務を変更した現状を確認した。
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