研究概要 |
3力国の直接支払制度を比較検討するために,2004年度は日本・韓国・スイスの3カ国において各国から2名の研究者が参加し,農業の実態調査,制度の比較,セミナーの開催を行った.日本の調査では,2004年10月2日から10日まで京都府美山町および滋賀県を視察した.滋賀県立大学では"環境科学保全セミナー"を開催し,「環境保全型農業へのスイスと韓国の取り組み」と題した討議を行った.また,12月18日から22日までソウルを中心に農業の視察(環境農業)を行ったほか,Rural Development Administration, Suwon, Korea Rural Economic Institute, Seoul, Korea University, Seoulにおいてセミナーを開催し,直接支払制度の特質と現状について議論を深めた.スイスでは,2月3日から9日の調査期間にスイス連邦工科大学,スイス経済省農業局,Strickhof農業学校においてスイスの直接支払制度に関するヒアリングを行い,"Natura Beef"生産農家を調査した. 一連の議論の中で,直接支払制度の論理が整理され,同制度をWTOルールおよび市場措置,さらには地域政策と一体化して捉える必要が再認識された.また,次年度以降は台湾を調査対象のひとつに加え,スイスをプロトタイプとした極東アジア型直接支払制度を具体化するための方途が明らかになった.
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