研究概要 |
2006年度は,7月日〜日まで台湾研究者2名とともにスイス農政の現状を視察し,9月にはスイス連邦工科大学の研究者とともに1ヶ月間,滋賀県に滞在し,日本農政の評価のあり方を検討した.また,2006年10月29日には桃山学院大学で開催された地域農林経済学会において「食料純輸入国における政策デザイン」と題するシンポジウムを開催し,海外の研究協力者とともに以下の報告を行い3年間の研究成果を問うた.農政の段階は各国で異なっており,その局面は多様である.農業調整問題に入った台湾,調整問題から環境問題への転換期にある韓国,環境問題へのシフトを強めつつある日本,そして,農業保護そのものを大幅に削減する段階を迎えたスイスの差異は農業の現状および農政デザインから明確になった.とりわけ,農業保護の堅牢さで知られたスイスは,近年のEUとの自由貿易交渉を梃子にその保護水準を急速に低下させる傾向が強まっている.また,北東アジアにおける農業問題は米を機軸としており,米と土地利用をセットにした新しい政策を検討するためには,実証的・計量的に接近する手法が必要であり,線形計画法に基づいた地域モデルの検討も行った. Report 1:The future challenges of agricultural policy reform in Taiwan Report 2:The progress and challenges of direct payment programs in Korean agricultural sector Report 3:Market liberalization and the role of direct payments in Switzerland Report 4:Features and effectiveness of direct payments in Japan
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