研究概要 |
事例調査の対象地として選定した宮崎県都城地域における農家〜地域農業レベルの物質フローに関する現地調査(農家ヒアリングを含む)を実施するとともに,LCA手法の適用において必要となる基本情報・データ収集を行い,対象地域に関する基礎データ・ベースの作成に着手した.さらに,輸入分を含めた資材生産・流通実態の把握のために,マクロ・フロー調査を実施するとともに,LCA手法の適用において必要と考えられる基本情報・データの収集と部分的な整備を行なった.続いて,物質フロー上の特性を考慮して選定した代表的3農家を対象に,収集・整理したLCA関連の情報・データを用いて,LCA手法の試行的適用を行い,物質フローが類似する営農タイプをグループ化してモデル農業経営を設定し,これを基本機能単位(農家レベル)として,営農タイプ別に経営量(頭数,栽培面積など)を基本機能単位に配分・集積することで地域全体を基本機能単位の集積(群機能単位)として取り扱うという地域農業(地域レベル)へのLCA手法適用の枠組を検討した. また,農法などの違いが農業活動の物質フローにどのように影響するかの把握および生産上のエネルギー消費、土壌炭素プール、窒素リン酸の残留ポテンシャルについての経年的な動態を明らかにするための基礎データ収集・農家レベル詳細インベントリー作成を目的として,茨城県南における栽培体系の異なる果樹農家((1)慣行栽培、(2)減化学肥料栽培、および(3)無化学肥料栽培)および水稲農家((1)成苗不耕起移植栽培、(2)稚苗有機栽培、(3)稚苗減農薬減化学肥料栽培、(4)稚苗慣行栽培、(5)稚苗有機肥料重点栽培)を選定して,栽培手法、それぞれの栽培体系における投入資材、投入時期、生産工程、生産量を精査した.
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