研究分担者 |
石黒 覚 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (30137244)
浜口 俊雄 京都大学, 防災研究所, 助手 (90263128)
工藤 庸介 大阪府立大学, 大学院・農学生命科学研究所, 助手 (80305656)
緒方 英彦 鳥取大学, 農学部, 助教授 (90304203)
小林 範之 愛媛大学, 農学部, 助教授 (00314972)
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研究概要 |
構造物の性能照査型設計では,構造物の性能を設計段階で正確に推定し,それが要求性能を満たしているかどうかを検討しなければならない。これを実現するために,ため池,コンクリート構造,地盤の透水性と浸透破壊の危険性を対象とした基礎的研究を行った。ため池に関しては,堤体の状態を把握するために堤体内水温データをシミュレートする3次元浸透-熱連成解析プログラムを作成した。また実際のため池の改修を対象に,更新費用,維持管理費,決壊した揚合の想定被害総額,ため池の破壊確率から改修によってもたらされる便益の算定を行った。コンクリート構造に対しては,その材料特性の把握と構造解析の精度向上を図るため,楔挿入割裂試験装置を作成し,供試体サイズ200mmのコンクリートについて破壊試験を実施した。また実構造物に関して,ファームポンド壁体を対象にひび割れ先行型のひび割れの発生位置と鉄筋の位置関係を調査した。また,超音波法によるひび割れ深さ推定方法の適用条件及び発・受振子の最適設置位置について検討を行った。地盤の透水性に関しては,飽和透水係数分布を少ない水頭観測データ数からであっても一意的に定められるように地盤統計モデルを導入して同分布をモデル化し,その手法が良好な結果をもたらすことを示した。さらに地盤の浸透破壊に対する安定性について,締切り矢板内掘削を対象とした破壊メカニズムの正確な把握を行い,地盤の浸透破壊に対する終局限界状態,損傷限界状態及び使用限界状態の定義と,これらの限界状態を規定する限界値の算定方法の提案を行った。これらに加え,近年重要視されている一般に親水機能と呼ばれている概念の整理を行った。各種の水利施設によって人工的に形成される水辺空間を考えるために,まず自然に形成された水辺空間として河川を対象とし,その整備を行う上で親水機能がどのように捉えられているのかをまとめた。
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