研究課題
基盤研究(B)
これまでにシロイヌナズナの水分屈性突然変異体として7系統を単離することに成功し、それらの特性解析を明らかにするとともに、水分屈性の消失したmiz1、miz6突然変異体の突然変異原因遺伝子を同定した。pMIZ1::GUSをシロイヌナズナで発現させた結果、MIZ1は水分勾配感受部位と考えられる根冠、とくにコルメラ細胞に強く発現することがわかった。MIZ1とGFPの融合タンパク質発現個体や過剰発現個体も作出し、解析を進めている。また、MIZ1タンパク質は、陸上植物に高度に保存されたドメインを有し(MIZドメインと命名した)、コケには存在するが動物や藻類(緑藻、紅藻)には存在せず、植物が進化の過程で陸地環境に適応するために獲得した可能性が示された。MIZ6も水分屈性に必須の極めてユニークなタンパク質であることを突き止め、そのGFPとの融合タンパク質発現系統の作出を行った。さらに、水分屈性を欠損したmiz4についてもマッピングを行い、変異原因遺伝子の座乗する染色体を決定した。一方、各種阻害剤を用いた実験から、オーキシンは水分屈性と重力屈性のいずれにも重要な役割を果たすが、そのためのオーキシン輸送の機構が両屈性で異なる可能性が強く示された。紅芒ムギ、Hope、農林10号のコムギ品種を用いて、深播き耐性に寄与する第一節間伸長のための細胞分裂と細胞伸長に対するジベレリンおよびジベレリン生合成阻害剤の影響を詳細に調べた。その結果、紅芒ムギは他の品種に較べて、細胞数を多く有すること、また、ジベレリンが細胞伸長よりも細胞増殖を促進することを見出した。植物の姿勢を制御する重力応答の研究では、アサガオの回旋運動に重力感受が必要なこと、キュウリ芽生えの重力形態形成(ペグ形成)にグリシンリッチタンパク質(CsGRP1)およびオーキシンを介した転写調節(CsARF2、CsARF5)の関与することを示した。
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