研究課題
基盤研究(B)
果実の貯蔵において、低温(-2〜0℃の氷温域)と高温(40〜50℃)が注目されている。本研究は、低温から高温の範囲内(-2〜50℃)において、温度に対する果実の生理生態的な応答(果実応答)を調べ、それらの同定(モデル化)を行い、モデルのシミュレーションから、どのような温度操作が果実の鮮度維持および品質改善に有効なのかをシステム科学的に究明する。研究成果は以下のようである。実験用果実としてはトマトと温州ミカンを用いた。(1)温湿度が厳密にコンピュータ制御できる恒温恒湿器を用いて、氷温域から高温域に至るいろいろな温度変化(-2〜50℃)に対する果実応答(果実の水損失速度、呼吸速度、糖度など)を非破壊・連続計測し、それらの動的な挙動を調べた。(2)次に、得られた計測データを基に、3層の階層型のニューラルネットワークを用いて、温度変化に対する各種の果実応答を同定(モデル化)し、それらの動的モデルを構築した。最適なシステムパラメータ数、中間層ニューロン数、学習回数などを用いて各時系列データを学習することにより、精度の高い動的モデルが構築できた。(3)簡易な方法で、非接触計測できる3次元画像計測装置を試作し、画像処理による形状計測から、貯蔵プロセスにおける植物体(葉、茎、果実など)の品質劣化の状態を調べた。(4)これらの研究成果を、2004年9月にベルギーのルーバンで開催されたヨーロッパ農業工学会および10月に中国の北京で開催されたCIGR(国際農業工学会)で発表した。
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Proceedings of the AGENG2004 (CD-ROM)
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Proceedings of the AGENG2004, (CD-ROM)
Proceedings of CIGR World Congress. (CD-ROM)