研究課題/領域番号 |
16380184
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
田島 淳史 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 助教授 (40207030)
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研究分担者 |
内藤 充 独立行政法人・農業生物資源研究所, 発生分化研究グループ・発生制御研究チーム, チーム長 (70355733)
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キーワード | 体細胞核移植 / 鳥類 / 生殖系列 / 始原生殖細胞 / 電気融合 / 移住能力 |
研究概要 |
鳥類における体細胞核移植技術を開発することを目的に一連の研究を行った。その結果は以下のとおりである。1)体細胞のレシピエントとして、生殖腺に存在する生殖細胞(GGCs)を用いることを考案し、GGCsの生殖腺への移住能力を検討した結果、7日および9日胚から回収されたGGCsを用いて後代を得ることに成功した。2)GGCsの核を不活化すること目的に、紫外線照射量と時間の検討を行った。その結果、紫外線を10秒から60秒間照射されたPGCsは、照射時間に比例した明らかなDNA損傷を受けるものの、その生存性には変化がないことが明らかになった。また、紫外線照射PGCsを2日胚の血管中に移植した結果、照射時間が30から60秒の場合には、PGCsは増殖が抑制されるものの生殖腺への移住能を保持し、核レシピエントとして利用できる可能性が示された。3)電気融合法を用いてGGCsに体細胞の核を移植する条件に関する検討を行った。その結果、サッカロース濃度0.25Mの融合液、350V/cm・60秒間のACフィールド、および4kV/cm・3回のDCパルスという条件設定で、約10%の融合効率が得られることが明らかになった。4)潜在的に体細胞核のレシピエントになりうるGGCsに関する検討を行い、初生雛の生殖腺から回収されたGGCsを2日胚に移植した場合に、生殖腺に対する移住能力を有することを見出した。以上の結果から、鳥類における体細胞核移植技術の開発に一歩前進したものと考える。
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