研究課題
基盤研究(B)
本研究は、ニワトリがもつ3大経済形質、すなわち、「成長関連形質」、「卵関連形質』ならびに「肉関連形質」について、quantitative trait locus (QTL)解析を行って、ニワトリがもつ経済形質を支配している量的形質遺伝子座の染色体上の位置を明らかにしたものである。解析対象とした形質は、「成長関連形質」では、各週齢における体重、脚長など37形質、「卵関連形質」では、産卵率、卵重など33形質、「肉関連形質」では、肉のpH値、肉色など29形質であった。マーカーにはマイクロサテライトDNAを用い、資源家系には、大シャモと白色レグホーンに基づくfull-sib F_2家系を用いた。QTL解析の結果、次に述べる通り、複数の形質に関しsignificant QTLを検出する成果を得た。成長関連形質:14および16週齢時脚長に関与するQTLを共に第4染色体生に検出した。また、20週齢時脚長を支配するQTLを第1、4および24染色体上に検出した。さらに、20週齢時の体重および屠体重量に関与するQTLを共に第4染色体上に検出した。卵関連形質:300日齢時卵重に関するQTLを第4染色体上に検出した。400日齢時産卵率に関するQTLを第3および第4染色塔上に1個ずつ検出した。300日齢時卵殻色L^*値に関するQTLを第3染色体上に検出した。さらに、300および400日齢時卵黄重に関するQTLを、共に第4および第11染色体上に1個ずつ検出した。肉関連形質:モモ肉のpH値、非破壊モモ肉色b^*値、非破壊ササミ色b^*値、ならびにササミのミオグロビン含量に関するQTLを、それぞれ、第4、13、3、および1染色体上に1個ずつ検出した。これらの各種肉関連形質に関するQTLならびに上記脚長に関するQTLの発見は、世界初の事例であると考えられる。
すべて 2007
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Cytogenetic and Genome Research (in press)
Cytogenetic and Genome Research (special issue entitled "Avian Genomics in Evolution, Agriculture and Health") (in press)