研究課題/領域番号 |
16380194
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎獣医学・基礎畜産学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
昆 泰寛 北海道大学, 大学院獣医学研究科, 教授 (10178402)
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研究分担者 |
遠藤 大二 酪農学園大学, 獣医学部, 教授 (40168828)
佐々木 宣哉 北海道大学, 大学院獣医学研究科, 助教授 (20302614)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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キーワード | MRLマウス / DNA複製 / エクソヌクレアーゼ1 / 精子形成 / 糸球体腎炎 / 卵巣脳腫 / トランジェニックマウス / コンジェニックマウス |
研究概要 |
DNAミスマッチ修復機構は、バクテリアからヒトに至るまできわめて多くの生物種に共通して存在するゲノム監視のシステムで、その主体は個々の塩基置換、欠失・挿入、複製のズレを、プルーフリーデイング機能をもつポリメラーゼによって正確な塩基配列へと置換する作用である。我々は、精子形成過程における不良精子排除機構を解明する目的で、各種近交系マウスの精巣の形態的精査を行い、減数分裂中期特異的アポトーシス(Metaphase-specific apoptosis : Msa)を有するMRLマウスを発見した。さらに、その精巣の遺伝学的解析の結果、Msaを誘発する因子としてポリメラーゼ酵素群の一つに数えられるExonuclease 1(Exo1)の変異を発見してきた。本研究の目的は、MRLマウスを基礎とした細胞複製監視システムの異常モデルマウスを作出し解析することにある。 本研究では、第1点としてMRLマウスのもつ表現型として熱ショック抵抗性精母細胞の存在、卵巣膿腫の存在、ならびに精巣内卵細胞の存在を精査した。第2点として、MRLマウスExo1周辺のゲノムを持つコンジェニックマウスを作出し、その表現型を明らかにした。第3点として、Exo1機能を減弱させる目的で、アンチセンスExo1遺伝子導入マウスならびにトランケイトExo1遺伝子導入マウスを作出し、その表現型を解析した。第4点として、MRLマウスExo1のエクソンスキップをin vitroで再現すると共に、特異抗体を作製し精巣における局在を免疫組織化学的に明らかにした。 以上より、MRLマウスの特異な表現型の一部はExo1の変異によって惹起されていることが明らかとなったが、それに依存しない多くの表現型も存在することが伺えた。本来、自己免疫疾患モデルとして定着したMRLマウスの新たな研究への利用が期待される。
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