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2006 年度 実績報告書

細胞の生存・死に関わるチロシンホスファターゼに視点を当てた卵胞発育機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 16380196
研究機関筑波大学

研究代表者

宮崎 均  筑波大学, 大学院生命環境科学研究科, 教授 (40183636)

研究分担者 金井 幸雄  筑波大学, 大学院生命環境科学研究科, 教授 (40015871)
キーワードチロシンホスファターゼ / 卵胞発育 / 顆粒膜細胞
研究概要

当研究室では、卵胞発育および動脈硬化の発症・進展におけるチロシンホスファターゼの関与に関する研究を行なっている。卵胞発育は顆粒膜細胞の生死が鍵を握っており、顆粒膜細胞が増殖を続ければ排卵に至る一方、途中でアポトーシスを起こせば卵胞閉鎖に陥る。当研究室では、少なくとも25種のチロシンホスファターゼが顆粒膜細胞に発現しており、このうち数種が性周期に応じてその発現が大きく変動することを見出した。このうち、PTPεMと呼ばれるチロシンホスファターゼは、顆粒膜細胞がアポトーシスを起こす閉鎖卵胞で発現が増加することを観察した。培養顆粒膜細胞にアデノウイルスを用いてPTPεMの野生型および基質トラッピング変異体を過剰発現したところ、以下のことが明らかとなった。
(1)PTPεMは顆粒膜細胞と細胞外マトリックスの結合を低下させ、anoikisにより細胞のアポトーシスを誘導すること、
(2)PTPεMは、細胞と細胞外マトリックスの結合の結合(focal adhesion)に重要なチロシンキナーゼFAK(Focal Adhesion kinase)を基質とし、Tyr925を脱リン酸化すること、
(3)FAKを脱リン酸化した結果、低分子量Gタンパク質Rhoが不活性化され、focal adhesionの形成が阻害され、細胞外マトリックスから細胞が離脱すること。
これらの結果は、PTPεMが卵胞発育の負の制御因子として機能していることを示すものである。また同時に、PTPεMが血管平滑筋細胞の増殖抑制、血内皮細胞の創傷治癒促進を介して、動脈硬化の発症・進展を負に制御する可能性も示唆した。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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