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2004 年度 実績報告書

野生のニホンジカは人あるいは他の動物種の感染源になり得るか?

研究課題

研究課題/領域番号 16380202
研究種目

基盤研究(B)

研究機関北海道大学

研究代表者

鈴木 正嗣  北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (90216440)

研究分担者 有川 二郎  北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10142704)
梶 光一  北海道環境科学研究センター, 自然環境保全科, 科長(研究職)
横山 真弓  兵庫県立人と自然の博物館, 自然環境マネジメント研究部, 研究員 (50344388)
山内 貴義  岩手県環境保健研究センター, 地球科学部, 専門研究員
キーワードニホンジカ / 野生動物 / 感染症 / ウイルス性肝炎 / 食中毒 / 家畜衛生 / 野生動物管理 / 狩猟
研究概要

1.初年度は研究の基盤となるサンプル収集に重点を置いた.これにより,北海道では143個体,岩手県では228個体,兵庫県では103個体の野生ニホンジカから採材することができた.研究者自身あるいは研究協力者が採材を行ったため,各個体の年齢,性,産地,体格・体重,繁殖状況等の生態学的付帯情報が完備し,疫学的にも貴重なサンプル群を構築できた.
2.275頭(研究開始以前に採取した保存血清も含む)について,ELISA法によるE型肝炎ウイルスに対する抗体価の測定を行った.ELISA吸光度が高かった個体についてウエスタンブロット法(22個体)とPCR法(44個体の糞便を使用)を実施したところ,いずれの個体も陰性と判断された.2003年には兵庫県でシカ肉の生食によるE型肝炎の発生が問題となったが,野生ジカ個体群での感染率は必ずしも高くないと考えられた.また,ニホンジカについては,ELISA法のみによる診断は信頼性に欠けることも示唆された.
3.北海道産の44個体から得た糞便を用い,人や家畜における食中毒の原因となり得るSTEC O157に代表されるSTX遺伝子保有大腸菌,サルモネラ菌,カンピロバクター菌の保菌状況を検査した(シカ肉の生食によるO157の感染事例も報告されている).その結果,全個体での陰性が確認された.
4.家畜衛生学的観点から,北海道産の23個体についてII型の牛コロナウイルスの検出(蛍光抗体法)を試みたところ,陽性個体は認められなかった.また,腎臓の初代培養細胞を用い各種ウイルスに対する感受性を調べた結果,牛伝染性鼻気管炎ウイルス,牛ヘルペスウイルス2型と4型,牛パラインフルエンザウイルス3型,牛丘疹性口炎ウイルス等において,細胞変性効果(CPE)が認められた.
5.ダニ媒介性感染症やヨーネ病,ブルセラ病等に関する分析は進行中である.

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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