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2006 年度 実績報告書

野生のニホンジカは人あるいは他の動物種の感染源になり得るか?

研究課題

研究課題/領域番号 16380202
研究機関岐阜大学

研究代表者

鈴木 正嗣  岐阜大学, 応用生物科学部・教授, 教授 (90216440)

研究分担者 堀内 基広  北海道大学, 獣医学研究科, 教授 (30219216)
有川 二郎  北海道大学, 医学研究科, 教授 (10142704)
木村 享史  北海道大学, 人獣共通感染症リサーチセンター, 准教授 (90261338)
横山 真弓  兵庫県立大学, 自然環境科学研究所, 准教授 (50344388)
キーワード野生動物 / シカ / 感染症 / E型肝炎 / レプトスピラ / リケッチア / ヨーネ / 食中毒
研究概要

1.ニホンジカ(976頭)とニホンイノシシ(87頭)から得た血清を用い,ELISA法とウエスタンブロット法によりE型肝炎に対する血清学的診断を行った.その結果,それぞれの種で2.6%および2.3%が抗体陽性と判断された.イノシシにおいては,RT-PCR法により3頭でHEV-RNAが確認されたが,捕獲状況からこれらは同腹子と考えられた
2.野生のニホンイノシシ(88頭)から得た血清を用い,ELISA法と顕微鏡下凝集試験(MAT)により,レプトスピラに対する抗体の検出を行った.その結果,12検体(13.6%)が抗体陽性と判断され,さらにMATでは血清型copenhageni,australis,bratislavaの抗体が検出された.そのため,捕獲ならびに解体にともなう人や猟犬に対する感染リスクが示唆された.
.野生のニホンジカ173頭を材料に,糞便培養法,LAMP法,nested PCR法によりヨーネ菌の検出を試みた.その結果,糞便培養法では菌は確認されなかった.また,LAMP法とnestedPCR法でもヨーネ菌DNAは検出されなかった.
4.北海道産の野生ニホシジカ(エゾシカ)においては,末梢血よりRickettsia helveticaとEhrlichia murisの遺伝子が確認された.
5.岩手県で捕獲された野生ニホンジカからは,槍形吸虫Dicrocoelium chinensis(47.3%)か,第四胃より胃虫Spiculopteragia houdemeri(100%)が,さらに盲腸から腸結節虫Oesophagostomumsikae(100%)およびウジ鞭虫Trichuris discolor(28.6%)が検出された.糞便からは,Dicrocoelium属虫卵(11.8%),Trichuris属虫卵(3.6%),Ogmocotyle属虫卵(2.7%),Moniezia属虫卵(2.2%)が検出された.原虫オーシストのEimaria austriaca(20.0%),E.sordida(2.2%),E.robusta(0.9%)もそれぞれ検出されたが,GiardiaとCryptosporidiumは検出されなかった.
6.以上の結果を踏まえ,野生動物(とくに大型の狩猟獣)から感染する恐れのある感染症について,鳥獣行政担当者や一般市民に向けた普及啓発用資料を作成した.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Prevalence of antibody to hepatitis Evirus among wild sika deer, Cervus nippon, in Japan.2007

    • 著者名/発表者名
      Yukiko Matsuura
    • 雑誌名

      Arch. Virol. 152, 2007 152

      ページ: 1375-1381

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Isolation of a Megatrypanum trypanosome from sika deer(Cervusnippon yesoensis)in Japan.2007

    • 著者名/発表者名
      Shin-ichi Hatama
    • 雑誌名

      Vet. Parasitol. 149

      ページ: 56-64

    • 査読あり
  • [学会発表] 牛放牧地で捕獲されたエゾシカ末梢血からのヘモプラズマおよびアナプラズマDNAの検出2007

    • 著者名/発表者名
      清野伸隆
    • 学会等名
      第144回日本獣医学会学術集会
    • 発表場所
      酪農学園大学
    • 年月日
      2007-09-02
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2010-02-01   更新日: 2016-04-21  

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