研究課題/領域番号 |
16380203
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
大橋 和彦 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (90250498)
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研究分担者 |
小沼 操 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (70109510)
落合 謙爾 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (80214162)
高木 道浩 神戸大学, 農学部, 助手 (90301283)
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キーワード | BACクローン / マレック病ウイルス / meq遺伝子 |
研究概要 |
ワクチンブレークを起こす強毒MDVを野外より分離して生物学的性状を解明するとともに病原性の進化に伴う変化を同定し、さらに我々が同定したL-meq遺伝子を強毒MDVに挿入した組み換えMDVクローンを作製する方法を確立し、野外で発生するワクチンブレークに即時に対応、克服できるような新規のワクチン作製技術を開発するため本研究を行った。本年度は、まず超強毒マレック病ウイルス(vvMDV)の性状解析を行うため、北海道あるいは奈良県の養鶏場において発生したワクチンブレーク鶏より血液材料、腫瘍材料を取得して、ウイルスゲノムを調製し制限酵素断片多型解析を行い、従来報告されているvvMDVとの比較を行った。その結果、meq遺伝子は従来報告されている強毒MDVと高い相同性を示したが、転写活性化ドメインにこれまで報告されていない変異を同定した。今後得られたmeq遺伝子がコードするタンパクについて転写活性化能・形質転換能について検討する。またgB遺伝子領域に北海道株特異的な遺伝子変異を、またgL遺伝子領域には、超強毒MDVで報告されている変異を同定した。以上より、今回解析したワクチンブレークMDV株はこれまで報告されている超強毒株とは若干性状が異なる可能性が示唆された。今後、分離したウイルス遺伝子より感染性クローンを樹立して鶏を用いた感染実験を行い、従来の強毒MDVと病原性の比較を行う。 ワクチン株CVI988及び強毒株RB1B株を用いてMDV感染性クローンの調製を行うため、ゲノムUS領域を標的としてMDV全ゲノムを含むBACクローンの作製を行った。今後、作製したクローンのin vitro及びin vivoにおける性状を解析する。そしてmeq遺伝子を標的とした迅速な組み換えクローン作製系を樹立する。
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