研究課題/領域番号 |
16380225
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
内田 隆史 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (80312239)
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研究分担者 |
内田 千代子 茨城大学, 保健管理センター, 助教授 (80312776)
秋山 弘匡 東北大学, 学際科学国際高等研究センター, 講師 (40400254)
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キーワード | プロリン異性化酵素 / Pin1 / 癌 / P53 / 胸腺 / プルセニリン / アミロイド / リチウム |
研究概要 |
個体のストレスへの抵抗性はその個体の加齢疾患の発症を制御している。プロリルイソメラーゼPin1の役割は多岐にわたっているが、全ての表現型から共通しているのは、Pin1がストレスへの抵抗性に関わっているということである。今年度の我々が行った研究は大別すると2つある。 第一に、Pin1とp53の両者を欠損させたマウスを作成してその表現型を解析して、胸腺が肥大化することを発見し、さらにその機構を解明したことである。P53とPin1の両遺伝子欠損マウスの胸腺ではプルセニリンの発現量が増加して、その結果Notch1が活性化され、さらにその活性型Notch1をPin1が安定化させてた結果、胸腺が肥大化したことを明らかにした(発表準備中)。 第二に、Pin1が、アルツハイマー病発症に関わるAβの前駆体であるアミロイド前駆体タンパク質(APP)にあるリン酸化Thr668-Proに結合してAβの産生にを促進していることを示した。Pin1ノックアウトマウスの脳やマウス胎児より調製した線維芽細胞(Pin1-/-MEF)を含む実験系を用いて、Pin1がリン酸化Thr668-Proを介してγ切断すなわちAβ産生を促進することを明らかにした。さらに、リチウムがAβ産生を抑制するADの治療薬候補として注目されているが、そのメカニズムとしてリチウムがGSK3を阻害しその結果Thr668のリン酸化が起こらなくなることを示した。また、Pin1のリン酸化結合部位であるWWドメインとホモロジーのあるタンパク質Gas7が微小管の重合に関与していることを明らかにした。Gas7がストレスに応答して発現が変動するかどうかなど今後解析を行う。
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