研究課題
基盤研究(B)
Pin1がストレス抵抗性のタンパク質であることを明らかにし、がんやアルツハイマー病との関係を示した。癌遺伝子であるc-mycのユビキチン分解にPin1が関与している。mycの分解がスムーズに行われないと、細胞は不死化して増殖がとまらなくなるので、Pin1は発癌にかかわるストレスへの抵抗性に関与するということになる。また、p53とPin1の両遺伝子欠損マウスでは、Notch1シグナル伝達が亢進して、細胞増殖制御が効きにくくなり、胸腺が肥大化した。脳神経系では、Pin1がアミロイドの産生を促進する機能を有することを明らかにして、その分子機構を解明した。すなわち、アミロイド前駆タンパク質(APP)がベータセクレターゼで切断されてC99になると、Thr668がGSK3でリン酸化されて、そこにPin1が結合し、ガンマセクレターゼによる切断に影響することを発見した。アミロイド生成はアルツハイマー病の重要なファクターであり、患者の多さと有効な薬剤が現在ほとんどないことを考えると、本研究が与えるインパクトは大きい。この他、Pin1がサイトカインシグナルであるstat3の活性化に関与しており、免疫や炎症などのストレス応答にも関与することを示した。また、脊髄損傷という重度のストレスに対する抵抗性として、神経細胞のアポトーシスの抵抗性があるが、これにもPin1が関与していることを明らかにした。さらに微小管重合促進因子として、Pin1のホモログであるGas7を発見したが、Gas7はアルツハイマー病で劇減しており、ストレス応答との関連に関して今後の研究課題を発見した。
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