研究課題
基盤研究(B)
TRAB1のABA依存的リン酸化を担うプロテインキナーゼを同定する目的で、イネのSnRK2プロテインキナーゼファミリーの網羅的解析を行った。このファミリーには気孔閉鎖のABA制御に関わるAAPKやOST1など、ABAシグナルトランスダクションに関わるプロテインキナーゼが含まれることから、TRAB1キナーゼもこのファミリーに存在することを期待した。イネゲノムにはSnRK2ファミリーメンバーが10個コードされており、SAPK1〜10と命名した。エピトープタグを付けたこれらメンバーのcDNAをプロトプラストで発現させることにより、その活性制御を検討した。その結果、SAPK8〜10がABAによって速やかに活性化されることが明らかとなった。そしてさらに、これら3つのプロテインキナーゼがABRE結合タンパク質TRAB1をABA依存的にリン酸化するプロテインキナーゼであることを示唆すつぎのようなデータを得た。(1)ABAによるSAPK8〜10の活性化キネティクスは、TRAB1のリン酸化キネティクスより若干速かった。(2)in vitroにおいて、これらprotein kinaseはTRAB1を効率よくリン酸化した。(3)(2)のリン酸化の主要なリン酸化部位の1つはin vivoにおいてABA依存的リン酸化を受けるSer-102であった。(4)SAPK8〜10の過剰発現によりABREが活性化された。(5)SAPK8の発現抑制植物(RNAi)では、SalTをはじめとするいくつかのABA応答性遺伝子の発現誘導が顕著に抑制された。(6)TRAB1とSAPK10が共免疫沈降した。その他、SAPK10のABAによる活性化が上流キナーゼによるリン酸化によるものであることが明らかになるとともに、効率的な情報伝達や、情報の融合と種わけにおける機能が推定されるScafold様タンパク質を同定するなどの成果を得た。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (8件)
Plant J. 44
ページ: 939-949
Plant J. 43
ページ: 142-152
Plant Cell Physiol. 46
ページ: 399-406
ページ: 300-311
Plant J 44
Plant Cell 16
ページ: 1163-1177
Plant Cell. 16(5)