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2006 年度 実績報告書

植物の小胞体で合成されるタンパク質の安定性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16380230
研究機関奈良先端科学技術大学院大学

研究代表者

小泉 望  奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教授 (20252835)

キーワードシロイヌナズナ / 小胞体ストレス / BiP / 糖鎖 / タンパク質フォールディング / 分泌タンパク質
研究概要

植物で有用タンパク質の生産を試みる場合、小胞体で合成されるタンパク質の安定性が重要である。ここでいう安定性とはタンパク質が正しく成熟(立体構造を獲得)することを意味する。本研究ではモデル植物であるシロイヌナズナを用いて小胞体タンパク質の成熟に重要な品質管理機構の分子機構の解明を目指している。主として小胞体の主要なシャペロンに着目し、1)翻訳後の挙動、2)発現制御機構、について検討を行った。1)については、平成17年度にBiPは転写レベルでは糖鎖合成阻害剤であるツニカマイシンにより顕著に誘導されるのに対してタンパク質レベルでは殆ど増加しないという結果を得た。ところが平成18年度に作成したペプチド抗体を用いた結果ではタンパク質レベルでの誘導が確認された。特にBiP3では顕著なタンパク質の蓄積が認められた。これまではBiPの早いターンオーバーを予測していたが必ずしもそうではない事が明らかとなった。2)については、以前に単離した転写因子AtbZIP60が関与する系以外の因子の探索をおこなった。ツニカマイシンにより転写誘導を受ける10個の転写因子のcDNAを単離し、一過性発現系によりBiPプロモーターの活性化への影響を調べたが有為に活性化を示すものは検出できなかった。一方AtbZIP60が膜貫通ドメインを有し、タンパク質レベルで切断され活性化されることに着目して、膜貫通ドメインを有する他のbZIP型転写因子に着目して研究をおこなった。その結果、2個のbZIP型転写因子が一過性発現系においてBiPプロモーターを活性化することが明らかとなった。つまり我々はAtbZIP60に続いて植物の小胞体品質管理機構における遺伝子発現を制御する新たな因子を発見したと考えている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Glycosyl hydrolases of cell wall are induced by sugar starvation in Arabidopsis.2007

    • 著者名/発表者名
      Lee, E.J., Matsumura, Y., Soga, K., Hoson, T., Koizumi, N.
    • 雑誌名

      Plant Cell Physiol. (印刷中)

  • [雑誌論文] Induction of BiP by sugar independent of a cis-element for the unfolded protein response in Arabidopsis thaliana.2006

    • 著者名/発表者名
      Tajima, H., Koizumi, N
    • 雑誌名

      Biochem Biophys Res Commun. 346(3)

      ページ: 926-930

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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