研究課題
基盤研究(B)
真核細胞においてホスファチジルイノシトール(PI)リン酸と特異的に結合するタンパク質について報告がなされている。我々は分裂酵母のPIリン酸結合タンパク質の機能解析を行った。分裂酵母のPI3-P結合ドメインであるPXドメインの解析を行ない、Vps5pとVps17pが分裂酵母において、PI3-P依存的に液胞形態形成、液胞タンパク質輸送、胞子形成に重要な機能を果たすことを明らかにした。また分裂酵母のFYVEドメインを持つVps27pの機能解析を行い、分裂酵母のVps27pはエンドソームから液胞へのタンパク質輸送にPI3-キナーゼであるVps34pとともに必須であること、さらにVps27pが分裂酵母においてマルチベシキュラー(MVB)経路に重要であることも明らかにした。同じくFYVEドメインを持つPI3,5-キナーゼである分裂酵母のSte12pの胞子欠損を抑圧する変異株を取得した。これらの変異株の中でsst4は分裂酵母のvps27遺伝子であった。そこで分裂酵母のクラスE vpsのホモログ遺伝子を同定し、それらの破壊株を取得した。分裂酵母のクラスE vps破壊株は液胞タンパク質輸送やMVB経路に欠損を示すことがわかった。また分裂酵母細胞内のPIリン酸を脱リン化するホスファターゼ破壊株を作成し、その特異性について検討を行なった。その結果、出芽酵母のSAC1遺伝子と相同性の高い分裂酵母遺伝子を破壊した場合、細胞形態異常やサイトキネシスなどに異常を示すことがわかった。また分裂酵母のPI4-キナーゼであるPik1タンパク質は出芽酵母とは異なり主にエンドソームに局在し、通常の栄養条件下では重要ではないが、胞子形成過程に必須の機能を果たすことを明らかにした。
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