研究課題/領域番号 |
16390002
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
根東 義則 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (90162122)
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研究分担者 |
田中 好幸 東北大学, 大学院・薬学研究科, 講師 (70333797)
塚本 裕一 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (70323037)
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キーワード | インドール / 有機金属 / 固定化 / 固相合成 / 触媒反応 / ビスインドール / ライブラリー / フルオラス |
研究概要 |
固定化したインドール誘導体の合成法として、インドールの2位に関しては脱プロトン化反応を経る方法が有効と考えられる。固定化したインドールの2位の脱プロトン化反応においてメシチルリチウムが優れていることをすでに申請者は見出しており、この反応を利用して固定化インドリルホウ素を今回合成した。得られた固定化インドリルホウ素は、パラジウム触媒存在下、2-ハロインドールと反応させることによりビスインドールへと導いた。また同じ化合物は、固定化した2ヨードインドールと2-インドリルホウ素との反応によっても得ることができた。また固定化したヨードインドール誘導体にパラジウム触媒存在下ピナコールボランとの反応を行うことにより固定化インドリルボラン誘導体を調製し、また続くアリールハライドとのパラジウム触媒クロスカップリング反応を用いて高分子上におけるビスインドール類の合成を行った。ビスインドリルマレイミド誘導体はrebeccamycinなどに見られる基本構造であり、その誘導体のなかからPKC阻害剤として優れた活性を示すものが見出されている。固定化インドリルホウ素化合物をパラジウム触媒存在下、ジブロモマレイミドと反応させると、選択的モノ置換体が得られ、続いて別のインドリルホウ素化合物とカップリング反応を行い、非対称なビスインドリルマレイミド誘導体を合成し、ライブラリーの構築を行った。またビスインドリルピラジンは海洋天然物dragmacidin類の合成中間体として重要であり、またこのビスインドリルピラジン自体にも抗腫瘍活性が見出されている。このような方法論を組み合わせ、またインドールの代わりにそのアザローグあるいは他の芳香族ヘテロ環を用いることによりさらに多様性に富む類縁化合物のライブラリーを構築することが可能と考えられる。今回はさらにフルオラスタグを用いる手法も検討した。
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