研究課題/領域番号 |
16390004
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
石橋 弘行 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (70028869)
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研究分担者 |
田村 修 金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (30257141)
内山 正彦 金沢大学, 自然科学研究科, 助手 (40277265)
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キーワード | ラジカル反応 / トリブチルスズ / アゾビスイソブチロニトリル / イソニトリル / 酢酸(III)マンガン / グループトランスファー / ラジカルカスケード / 一電子還元 |
研究概要 |
1)一般に、単純オレフィンに対するアリールラジカル環化反応は5-exc型で進行し5員環化合物を与える。ところが、最近、申請者らは出発原料エナミドのカルボニル基の位置を変えると、反応は6-endo型で進行し、6員環化合物を与えることを見い出した。そこで、申請者は本反応のアルキルラジカルにおける挙動について検討した。その結果、上記と同様に、エナミドのカルボニル基の位置を変えるだけで、ラジカル環化反応の位置化学、すなわち、6-endo型と5-exo数を自由に変えることができることを明らかにした。 2)上記の反応を6-endo環化反応によって生じるアミドイルラジカルの5-endo型環化反応を含むカルカスケード型ラジカル環化反応、すなわち、6-endo/5-endo型反応、に応用することにより、抗腫瘍活性物質レバジホルミン及びシリンドリシン類を一挙に構築する方法を考案した。現在、成績体の立体化学の解析と天然物合成に向けて検討を行っている。 3)申請者らは、ラジカル反応の脱離基としてイソニトリル基を有するN-(2-シクロヘキセニル)-α-イソニトリルアセトアミドの反応を検討したところ、本化合物を過剰量のアゾビスシクロヘキサンカルボニトリル(ACN)のみで処理するだけで5-exo型ラジカル環化反応成績体が得られることを見いだした。また、同時にイソニトリル基がニトリル基として転移する新しいグループトランスファー反応も見い出した。そこで、申請者は本反応の反応機構を解明すると共に、本反応を諸種のラジカル環化反応に応用している。
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