研究概要 |
1 カルボニル基の位置が異なるエナミドに対するアリールラジカル環化反応において、6員環化合物を与える6-exo選択的反応と7員環化合物を与える7-endo選択的反応を見出し、後者の反応をカスケード型ラジカル環化反応に応用して、制がん物質Hallingtonineのアグリコン部であるセファロタキシン骨格の短工程合成を明らかにした。 2 カルボニル基の位置が異なるエナミドに対するアルキルラジカル環化反応において、5員環化合物を与える5-exo選択的反応と6員環化合物を与える6-endo選択的反応を見出し、後者の反応をカスケード型ラジカル環化反応に応用して、制がん作用を有するシリンドリシン骨格の短工程合成を明らかにした。 3 N-ビニル-α,β-不飽和アミドのカルボニル基に対してトリブチルスズラジカルが攻撃することによってなされるラジカル環化反応において、5員環ラクタムが生成する5-exo選択的環化反応を見出した。 4 エナミドオレフィンに対する7-endo選択的アリールラジカル環化反応とアシルアミノラジカルのホモリティック芳香族置換反応を組み合わせたカスケード型ラジカル環化反応を用いて、レンノキサミンの短工程合成を達成した。 5 エナミドのカルボニル基の位置が異なることによってアリールラジカル環化反応及びアルキルラジカル環化反応の位置化学が異なることを論理的にまとめた。
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