研究課題/領域番号 |
16390014
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
堀江 利治 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (90120154)
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研究分担者 |
桝渕 泰宏 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 助教授 (10209455)
伊藤 晃成 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 助手 (30323405)
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キーワード | 酸化的ストレス / グルタチオン / MRP2 / 肝障害 / 化学発光 / 胆汁排泄 / トランスポーター / 脂質過酸化 |
研究概要 |
エタクリン酸により誘発される酸化的ストレス下において、Multidrug-resistance associated protein (Mrp)2の肝における局在性の変化ならびにその役割について検討した。Sprague-Dawley rat (SDR)とMrp2-deficient Eisai hyperbilirubinemic rat (EHBR)を用い、500μMエタクリン酸を肝灌流したところ、EHBRではSDRに比べてGPTの漏出とチオバルビツール酸反応性物質(TBARS)の生成が遅れた。これは両ラットの肝臓におけるGSH量の違いに起因すると考えられた。また、エタクリン酸はいずれのラットにおいても単離した肝ミトコンドリアにおけるmitochondrial permeability transition (MPT)を低下させた。低濃度エタクリン酸(100μM)を灌流し、障害が発生していない肝臓において、Mrp2の内在化が観察された。さらに極微弱化学発光測定システムを用いて、エタクリン酸を灌流した肝臓から一重項酸素由来の極微弱化学発光をリアルタイムで検出し、酸化的ストレスの発生を実証した。一方、薬剤性肝障害を惹起するモデル薬物として知られるアセトアミノフェンが、単離したラット肝ミトコンドリアにおけるMPTを変化させることを明らかにした。これはアセトアミノフェン誘発性肝障害に関する新規な知見であり、本研究との関連性もあり、今後の本研究の発展に有用な研究成果と考えられる。さらにデキストラン硫酸誘発性腸炎モデルラットにおいて、肝シトクロムP450の機能変化を明らかにしたが、この結果は肝におけるMRP2の機能変化に関する研究にも応用できる発展性のある知見と考えらる。
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