研究課題/領域番号 |
16390022
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
土井 健史 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (00211409)
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研究分担者 |
仲野 徹 大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (00172370)
多比良 和誠 東京大学, 工学系研究科, 教授 (10261778)
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キーワード | 巨核球 / 血小板第4因子 / 家族性血小板減少症 / GATA-1 / AML-1 / ETS-1 / UT7 / GM細胞 / RNAi |
研究概要 |
巨核球特異的転写制御配列(TME)に結合する因子の巨核球への分化・成熟に対する作用の解析について、昨年度はRNAiを用いた発現抑制システムを用い、AML-1の巨核球成熟抑制作用を示唆するデータを得た。今年度は、さらにAML-1強制発現系を用いてAML-1の巨核球における機能を調べた結果、巨核球マーカータンパク質である血小板第4因子(PF4)、およびGPIIbのプロモーター活性を減少させる結果を得た。昨年の結果を支持する今年の結果を得たことから、「AML-1の巨核球成熟抑制作用」を示すことができたと考えられる。 AML-1以外の因子についての、RNAiを用いたノックダウンによる巨核球分化・成熟への影響の検討として、GATA-1ノックダウンによる効果を調べた。その結果、巨核球マーカー遺伝子の発現が抑えられ、我々のin vitro巨核球分化システムが巨核球分化を再現できていることを確認できた。ETS-1については、発現抑制システム構築の検討にとどまった。 家族性血小板減少症(FPD/AML)をおこすAML-1の変異について、その変異がAML-1の活性にどのような影響を及ぼすかを、現在報告されている約10種の変異体をすべて作成し、これらについてその機能と細胞内局在を調べた。その結果、Runtドメインの点変異体2種がAML-1の転写活性可能をドミナントネガティブ的に阻害すること、またこの2種の変異体は核内には存在せず、さらにETS-1の核移行をも阻害していることを発見した。これらの成果は、変異体の作用機序に対して有用な情報を与え、今後のFPD/AMLモデルマウス作成への足掛りが得られたと考えられる。
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