研究課題/領域番号 |
16390025
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
野瀬 清 昭和大学, 薬学部, 教授 (70012747)
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研究分担者 |
柴沼 質子 昭和大学, 薬学部, 助教授 (60245876)
江川 清 昭和大学, 薬学部, 講師 (00095879)
金山 朱里 昭和大学, 薬学部, 助手 (10338535)
森 一憲 昭和大学, 薬学部, 助手 (60349040)
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キーワード | 活性酸素 / ミトコンドリア / DNAアレイ / プロテオーム |
研究概要 |
我々は、TGFβによって上皮-間充織転換(EMT)を起こすマウス乳腺上皮細胞NMuMGを用い、TGFβ刺激によるROSの産生源について、ミトコンドリアである可能性を見出した。本研究では、この経路に依存しているTGFβシグナル・細胞応答の全体像を把握するため、DNAマイクロアレイ解析を試み、TGFβにより発現が変化する遺伝子のうち、ミトコンドリアにその変化が依存するものを同定した。また、ミトコンドリアの関与を分子レベルで明らかとすることを目的とし、TGFβ処理下、ミトコンドリアプロテオーム解析を試みた。 DNAアレイ解析 マウス乳腺上皮細胞(NMuMG)を用い、ミトコンドリアを枯渇させた状態にした細胞(ρ0細胞)をTGFβ処理(24hr)し、RNAを抽出した。その後、DNAアレイにより、未処理細胞から抽出したRNAと比較、検討を行った。DNAアレイ上遺伝子数36,227種のうち、解析対象遺伝子数18,953であり、TGFβで2倍以上発現が上昇する遺伝子が671種、そのうちミトコンドリア依存的なものが104種類同定できた。また、TGFβで発現が減少するものが807種、そのうちミトコンドリア依存的なものは124種であった。これらから機能未知の遺伝子を除き、3倍以上TGFβで誘導された136種に注目したところ、ミトコンドリア依存的な34種のうち、細胞接着関連が13種見出された。 ミトコンドリアプロテオーム解析 TGFβ処理(24hr)、未処理のNMuMG細胞からミトコンドリア画分を分離し、蛋白質を2次元電気泳動により展開し、TGFβ処理により変化する蛋白質スポットを同定、ゲル内消化後、LC-MS/MS分析により蛋白質を同定した。その結果、TGFβにより変化するスポットを現在までに6つ見出し、ペプチドをLC-MS/MSにより解析したところ、4つのスポットについて、蛋白質を同定した。現在、これら蛋白質の当該シグナル伝達への関与を検討中である。
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