研究課題
基盤研究(B)
薬物と受容体との疎水性相互作用による形状認識の観点から、適度な分子サイズをもった球状の疎水性構造単位は医薬分子の設計に極めて有望な素材である。本研究ではステロイド受容体等の核内受容体と形状的に一致する球状疎水生構造をリガンドの分子設計に応用することにより、新しいアゴニスト/アンタゴニスト活性の制御系を見出し、新規骨格を有するエストロゲン拮抗薬、アンドロゲン拮抗薬等の抗がん作用、骨を標的とする選択的エストロゲン受容体制御薬を目標としている。上記のコンセプトによる分子設計、合成、活性評価を行い、次の成果を得た。1)エストロゲン受容体リガンドの中核となる疎水性構造を球状ホウ素クラスター,球状炭化水素からさらに単純なシクロヘキサン環に変換した化合物群の設計、合成を検討し、中心疎水性構造の相違によるアンタゴニスト/アゴニストのバランスの制御が可能であることを示した。2)アンドロゲン受容体の構造と生体内リガンドであるテストステロンの構造から、ステロイド骨格を球状疎水性構造、カルボランに置換した候補化合物数十種の設計、合成を行い、AR転写活性化試験で活性を評価し、新規非ステロイド系アンドロゲン拮抗物質を得ることに成功した。3)カルボラン骨格と受容体疎水性構造との疎水性相互作用の解析及びカルボランC-Hの水素結合性の物理化学的評価を行い、溶液環境により結合の回転が生じる現象を見出し、NMRにより観測した。4)カルボラン骨格への置換基導入反応、困難な球状炭化水素骨格の構築に対する、より簡便な合成法の開発を行い、位置選択的ヨードか反応、C,C'-ジヒドロキシカルボラン類の合成反応を開発した。これらの結果は、核内受容体制御化合物の設計への球状疎水性構造の適性を実証するとともに、従来の医薬と異なる新規骨格を有し体内動態が異なる新しい医薬候補化合物を創製することに繋がるものである。
すべて 2008 2007 2006 2005 2004 その他
すべて 雑誌論文 (46件) (うち査読あり 24件) 学会発表 (67件) 備考 (1件)
J.Mater.Chem (In press)
Chem.Commun
ページ: 2049-2051
J. Mater. Chem (in press)
Chem. Commun
Inorg.Chem 46
ページ: 3966-3970
Tetrahedron 63
ページ: 12160-12165
有機合成化学協会誌 65
ページ: 320-333
Inorg. Chem 46
Tetrahedron. Lett 48
ページ: 5231-5234
Tetrahedron.Lett 47
ページ: 1937-1940
Bioorg.Med.Chem.Lett 16
ページ: 3943-3946
Genes Dev 20
ページ: 1525-1538
J.Mater.Chem 6
ページ: 3836-3843
ファルマシア 42
ページ: 421-425
Bioorg. Med. Chem. Lett 16
I. Mater. Chem 6
BioMed Chem.Lett 46
ページ: 227-230
Tetrahedron Lett 46
ページ: 483-485
ページ: 699-702
ページ: 3119-3122
J.Organomet.Chem 690
ページ: 2750-2756
J.Med.Chem 48
ページ: 3941-3944
ページ: 4654-4662
Bioorg.Med.Chem 13
ページ: 6414-6424
Liq.Cryst 32
ページ: 985-995
Inorg.Chem 44
ページ: 8569-8573
J. Organomet. Chem 690
J. Med. Chem 48
Bioorg. Med. Chem 13
Liq. Cryst 32
Inorg. Chem 44
Tetrahedron. Lett 47
ILiq.Cryst 31
ページ: 1-12
BioMed.Chem.Lett 14
ページ: 5913-5918
Phosphorous, Sulfur, and Silicon 179
ページ: 799-802
Tetrahedron.Lett 48
Liq. Cryst 31
BioMed. Chem. Lett 14
BioMed. Chem. Lett 15
http://www.tohoku-pharm.ac.jp/laboratory/soyaku/index.html