研究課題/領域番号 |
16390034
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
徳村 彰 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教授 (00035560)
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研究分担者 |
福沢 健治 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (90035551)
山野 修司 徳島大学, 医学部, 教授 (30166772)
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キーワード | 脂質過酸化物 / ホスファチジルコリン / キシレノールオレンジ / 鉄イオン |
研究概要 |
キシレノールオレンジ(XO)法は脂質過酸化物(LOOH)の簡便な定量として汎用されている。その原理は、酸性下でLOOHと過剰のFe^<2+>を反応させ、量論的に生成するFe^<3+>量[反応式1]をFe^<3+>/XO錯体量[反応式2]から求めるものである。しかし、この方法には、430nmに吸収極大を持つXOを過剰に添加するため、Fe^<3+>/XOに由来する543nmの吸光度測定が妨害されるという欠点があった。我々は、25mM H_2SO_4、60%のメタノール(MeOH)中にホスファチジルコリン(PC)が存在する条件下では、極大吸収が長波長(610nm)側にシフトする[反応式3]こと、並びに、吸光度が約2倍増大することを見出し、上述の欠点を克服した改良法を構築した。 LOOH+2Fe^<2+>+H^+→LOH+2Fe^<3+>+H_2O [1] Fe^<3+>+XO(430nm)→Fe^<3+>/XO(543nm) [2] Fe^<3+>/XO+PC→Fe^<3+>/XO-PC(610nm) [3] 更に、我々は、この610nmに吸収極大を持っFe^<3+>/XO-PC複合体の特質について、PCの膜構造と吸収波長の関係(界面活性剤の影響、MeOH濃度の影響、アルコール鎖長の影響、PCの脂肪酸鎖長の影響)、PC類似構造化合物(リン酸基のないPC類似体、ホスファチジルエタノールアミン、スフィンゴミエリン)の影響、Fe^<3+>/XOのESRスペクトルに対する膜PCの影響、PC膜ゼーター電位に対するFe^<3+>/XOの影響などを検討し、PCとFe^<3+>/XOの結合様式や結合比(3:1)を明らかにした。
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