研究課題/領域番号 |
16390058
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
福田 敦夫 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50254272)
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研究分担者 |
岡部 明仁 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (10313941)
熊田 竜郎 浜松医科大学, 医学部, 助手 (00402339)
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キーワード | クロライドトランスポーター / 皮質板細胞 / 母体ストレス / 細胞移動 / GABA / タウリン / 国際情報交換 / ドイツ |
研究概要 |
1.Cl^-トランスポーターknock-downによる細胞移動・シナプス形成の[Cl^-]依存性の証明[福田・熊田]: NKCC1遺伝子およびKCC2遺伝子の転写過程を阻害するshRNA(small hairpin RNA)に最適な塩基配列を、それぞれ6種類、8種類ずつデザイン・合成して、shRNA発現プラスミドベクターを構築した。これらのプラスミドDNAをNKCC1あるいはKCC2を発現させたHEK293細胞にtransfectionした後、細胞のhomogenateを用いてWestern blottingを行った。NKCC1はテストした3種のうち1種で50-60%、KCC2はテストした5種のうち2種で90%以上の蛋白合成の抑制効果を認めた。そこでKCC2のshRNAの1種を電気穿孔法でラット胎仔脳室帯の新生神経細胞に選択的にeGFP遺伝子とともに導入した。 2.母体ストレスモデルマウスの作成と仔マウスの大脳皮質神経回路形成への影響の評価[岡部・福田]: マウス母体ストレスモデルとして、妊娠8日から17日まで毎日6時間、直径3cm長さ9cmのシリンダーを用いて母親マウス(BL6)に拘束ストレスを負荷した。胎生18日で摘出した母体ストレス負荷胎仔の体重はコントロールと比較して有意に軽く、脳重量も有意に減少しており、母体ストレスの胎仔脳発達への影響が示唆された。そこで胎仔脳のタウリン、GABA、グリシン、グルタミン酸量をHPLC法で測定したところ母体ストレスの影響の可能性が示唆された。さらに胎生14日にインビボ電気穿孔法で胎仔の脳室帯の新生神経細胞特異的にmRFP遺伝子を導入し、4日後に脳スライスを作製し、radial移動中の皮質板細胞(mRFP蛍光)の移動状態を解析したところ母体ストレス群で変化の可能性が示唆された。
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