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2004 年度 実績報告書

心筋細胞の制御と破綻に関する分子薬理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 16390064
研究種目

基盤研究(B)

研究機関山形大学

研究代表者

遠藤 政夫  山形大学, 医学部, 教授 (40004668)

研究分担者 石井 邦明  山形大学, 医学部, 助教授 (10184459)
西丸 和秀  山形大学, 医学部, 助手 (60361250)
蓬田 伸一  山形大学, 医学部, 助手 (90250802)
キーワードCa^<2+>トランジェント / 収縮タンパクCa^<2+>感受性 / エンドセリン / ノルエピネフリン / アンギオテンシンII / 哺乳類心室筋 / wortomannin / Y-27632
研究概要

心不全の際には交感神経系、レニンアンジオテンシン系、エンドセリンなどの生体内情報伝達物質が代償性に動員され、ノルエピネフリン(NE),アンジオテンシンII(AngII),エンドセリン(ET)などの血中濃度が上昇する。今年度はイヌ心室筋におけるET-1とノルエピネフリン(NE)のクロストークによる収縮性およびCaシグナル制御の細胞内情報伝達機構の詳細を薬理学的に分析した。ウサギ心室筋におけるET-1による収縮調節機構はイヌにおけるそれと顕著に異なるので、ET-1による調節機構の共通性と差違の有無を摘出心室筋標本および単離心室筋細胞を用いて検討した。イヌにおけるET-1とNEのクロストークによる陽性変力作用(PIE)は選択的ET_A受容体遮断薬で効果的に拮抗されるが、ウサギ心室筋におけるのET-1のPIEは従来のET_A遮断薬では拮抗されないことを見いだしていた。今回の実験において新しいET_A受容体TAK-044はウサギ心室筋においてET-1のPIEを遮断することを見いだしたが、ET-3のPIEに対する拮抗と比べると100倍の濃度を必要としその差違の機序は現在のところまだ不明である。ウサギ心室筋におけるPIEはMLCK阻害薬の1-2μM wortmanninn(WMN)で遮断されたが、Ca^<2+>トランジェント(CaT)は有意な抑制を受けず、WMNは選択的にET-1によるCa^<2+>感受性増強を遮断することが示された。一方、Rhoキナーゼ阻害薬のY-27632はCaTが完全に遮断された状態でもPIEを惹起した。これらの実験結果はET-1によるCaT増高とCa^<2+>感受性増強には異なった細胞内機構が関与していることを示唆する。一方、イヌにおけるNEのβ作用とET-1、AngII,α作用(フェニレフリン:PE)とのクロストークの差違を検討した。ET-1とPEのクロストークによるPIEはAngIIのそれよりは顕著であり、共通するシグナル伝達過程とそれぞれの受容体に固有のクロストークが存在することが明確に示された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Wortmannin inhibits the myofilament Ca^<2+> sensitization induced by endothelin-1.2005

    • 著者名/発表者名
      Chu, L.
    • 雑誌名

      Eur.J.Pharmacol. 507

      ページ: 135-143

  • [雑誌論文] Differential inhibition by TAK-044 of the inotropic effects of endothelin-1 and endothelin-3.2004

    • 著者名/発表者名
      Yomogida, S.
    • 雑誌名

      Eur.J.Pharmacol 492

      ページ: 217-224

  • [雑誌論文] Force-frequency relationship in intact mammalian ventricular myocardium : physiological and pathophysiological relevance.2004

    • 著者名/発表者名
      Endoh, M.
    • 雑誌名

      Eur.J.Pharmacol. 500

      ページ: 73-86

  • [雑誌論文] A Na^+ channel agonist : a potential cardiotonic agent with a novel mechanism?2004

    • 著者名/発表者名
      Endoh, M
    • 雑誌名

      Br.J.Pharmacol. 143

      ページ: 663-665

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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