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2004 年度 実績報告書

心筋保護・修復・再生におけるシグナル伝達分子STAT3の機能の解析

研究課題

研究課題/領域番号 16390065
研究種目

基盤研究(B)

研究機関大阪大学

研究代表者

藤尾 慈  大阪大学, 薬学研究科, 助教授 (20359839)

研究分担者 東 純一  大阪大学, 薬学研究科, 教授 (30144463)
キーワードSTAT3 / cadherin / Wnt / メタロチオネイン / 活性酸素 / 心筋
研究概要

心筋におけるSTAT3の役割を1)心筋細胞間接着制御、2)心筋細胞保護の観点から検討した。
1)心筋細胞間接着におけるSTAT3の意義
心筋細胞をインターロイキン6関連サイトカインであるLIFで刺激すると、Wnt5aの発現およびN-cadherinの発現が増強され、それに伴い、心筋細胞間の接着が強化された。細胞間接着の増強には、N-cadherinの発現上昇が重要であり、抑制型N-cadherinの遺伝子導入は、LIFによる心筋細胞間接着増強を抑制した。さらに、Wnt5aの発現上昇をアンチセンスを用いて抑制することで、N-cadherinの発現増加、ならびに、心筋細胞間接着増強が抑制された。さらに、Wnt5aの発現増強には、STAT3の活性が必須であることが、抑制型STAT3の遺伝子導入により示された。以上のことから、心筋細胞において、STAT3の活性化は、Wnt5a/cadherinシステムを介して細胞間接着を増強することが明らかになった。
2)心筋細胞保護におけるSTAT3の意義
STAT3による心筋細胞保護作用を検討するために、心筋特異的活性型STAT3トランスジェニックマウスを用いて、虚血再潅流モデルを作製した。その結果、トランスジェニックマウスでは、虚血再潅流傷害に対する抵抗性が認められた。また、トランスジェニックマウスでは、心筋細胞における活性酸素の産生が抑制されるとともに、メタオチオネインの発現上昇が確認された。一方、メタロチオネイン遺伝子欠損マウスでは、STAT3の活性化は、虚血再潅流に対して抵抗性を示さないことを明らかにした。以上のことから、心筋において、STAT3の活性化は、メタロチオネインの発現増強を介して、活性酸素を消去することにより、心筋細胞保護作用を示すことが明らかになった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] STAT3 mediates cardioprotection against ischemia/reperfusion injury through metallothionein induction in the heart.2005

    • 著者名/発表者名
      Oshima, Y., et al.
    • 雑誌名

      Cardiovasc.Res. 65

      ページ: 428-435

  • [雑誌論文] Signals through gp130 upregulate Wnt5a and contribute to cell adhesion in cardiac myocytes2004

    • 著者名/発表者名
      Fujio, Y., et al.
    • 雑誌名

      FEBS letters 573

      ページ: 202-206

  • [雑誌論文] Circulating interleukin-6 family cytokines and their receptors in patients with congestive heart failure.2004

    • 著者名/発表者名
      Hirota, H., et al.
    • 雑誌名

      Heart Vessels 19

      ページ: 237-241

  • [雑誌論文] Leptin stimulates ischemia-induced retinal neovasculation : possible role of vascular endothelial growth factor expressed in retinal endothelial cells2004

    • 著者名/発表者名
      Suganami, E., et al.
    • 雑誌名

      Diabetes 53

      ページ: 2443-2448

  • [雑誌論文] The expression of taurine transporter is regulated through TonE/TonEBP pathway and contributes to cytoprotection in HepG2 cells2004

    • 著者名/発表者名
      Ito, T., et al.
    • 雑誌名

      Biochem.J. 382

      ページ: 177-182

  • [雑誌論文] Selective inhibition of STAT3 induces apoptosis and G1 cell cycle arrest in ALK-positive anaplastic large cell lymphoma2004

    • 著者名/発表者名
      Amin, H.
    • 雑誌名

      Oncogene 23

      ページ: 5426-5434

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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