研究概要 |
C06H5.7を発現させたアフリカツメガエル卵母細胞において、電気生理学的活性を測定した。L-DOPA溶液は調製直後においては無色透明な溶液で、電気生理学的活性を示さなかった。しかし、調製2日後のL-DOPA溶液は褐色を呈し、100_M以上で内向き電流応答を誘発した。物質の極性の差を利用して分離する逆相カラムを用いて、HPLCにより調製2日後のL-DOPA溶液を分画し、6つの画分を得た。物質の極性の差を利用して分離する逆相カラムを用いて、HPLCにより調製2日後のL-DOPA溶液を分画し、6つの画分を得た。第5画分(A5)および第6画分(A6)には弱い活性が検出された。第二画分は、その溶出時間よりL-DOPAが含まれていると推察された。 NMR解析においてA5では、7.5ppm近傍に2つ、7.1ppm近傍に1つのシグナルが検出され、ベンゼン環を有する化合物と推定された。一方、A6では、7.4,7.0,4.6,4.0,3.7 3.4ppm近傍にそれぞれ1つのシグナルが検出された。A6をさらに逆相カラムで分離すると少なくとも二つの物質が含まれることが明らかとなった。NMRシグナルおよびHPLC溶出時間より、その一つが4-hydroxyphenyllactic acid(HPLA)と推定された。 NMR解析においてS4では、9.7ppm近傍に1つ、7.5ppmに2つ、7.1ppm近傍に1つのシグナルが検出され、3,4-dihydroxybensaldehyde(DHBALD)と推定された。次にDHBALDのNMR解析を行った結果、S4と同一のシグナルパターンを示した。9.7ppm近傍のシグナルはアルデヒド基(-COH)であることが判明した。さらに、S4およびDHBALDを混合した試料において、完全にシグナルパターンが重なった。質量分析においても、DHBALDとS4は同一の質量電荷比を示した。HPLC解析においてもDHBALDとS4の溶出時間が一致した。S4はそのピーク面積から、生成率が約55%であった。電気生理学的解析において、DHBALDはS4と同様に濃度依存的内向き電流応答を誘発することを確認した。
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