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2005 年度 実績報告書

脳梗塞部位における低分子G蛋白の活性化機序と病態形成への関与に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16390069
研究機関北里大学

研究代表者

佐々木 泰治  北里大学, 薬学部, 教授 (90327445)

研究分担者 内藤 康仁  北里大学, 薬学部, 講師 (80303618)
松尾 由理  北里大学, 薬学部, 助手 (10306657)
田辺 敦弘  北里大学, 薬学部, 助手 (50365186)
キーワードsmall G protein / Rho-kinase / mPGES-1 / CaMk1β2 / PGE_2 / brain ischemia
研究概要

平成17年度 研究実績の概要
1.ラット脳梗塞モデル(中大動脈閉塞-再灌流)による梗塞巣拡大・増悪因子の検討。再灌流6時間後の梗塞巣(皮質)では、mPGES-1のmRNAと蛋白の顕著な発現誘導が見られ、PGE_2の含有量は対照半球の皮質のそれに比して約10倍高かった。また、誘導されたmPGES-1は、主として、梗塞周辺部では神経細胞に、梗塞中心部ではミクログリアに発現していた(投稿中)。
2.マウス脳梗塞モデル、およびmPGES-1欠損マウス脳梗塞モデルによるmPGES-1発現誘導の検討。上記ラット脳梗塞モデルの結果と同様の結果が、マウス脳梗塞モデルにおいても得られた。更に、mPGES-1欠損マウスでは、これら虚血・再灌流に伴う反応が抑制されることを確認した。さらに、この欠損マウスにPGE_2を脳室内投与し、梗塞巣形成と神経障害・運動障害の復帰が見られることを確認した(投稿中)。
我々は、上記のことより、mPGES-1が虚血・再灌流にて生ずる脳梗塞の形成、拡大・増悪因子の1つと結論づけた。
3.炎症物質リゾフォスファチジン酸(LPA)によるラット由来アストロサイトの活性化とRho-kinaseの関与に関する検討。LPAによるアストロサイトの形態変化(活性化)は、Rho-kinaseの活性化による、ミオシン軽鎖のリン酸化の亢進と細胞骨格変化よることを、ミオシン軽鎖変異体とRho-kinase阻害薬を用いて明らかにした(投稿準備中)。
4.炎症関連物質、ブラジキニン(BK)、LPAによる新規な蛋白リン酸化経路の活性化の検討。神経培養細胞をBKにて刺激すると、MARCKSのリン酸化がみられ、このリン酸化がsmall G-protein Cdc42/PAKによる可能性を示した(継続中)。また、PKC活性化因子PDBuによるMARCKSのリン酸化には、RhoA/Rho-kinase系の活性化が関わっていることを、薬理学的に、分子生化学的に示した(投稿中)。
5.脳神経細胞特異カルモデュリン依存性キナーゼ1β2(CaMK1β2)の活性化機序の検討。
CaMKII、と異なり、CaMK1β2は、CaMKKによるThr171のリン酸化により活性化され、直ちに、Thr304,Ser305が自己リン酸化され、その活性が低下することを見出した。その後、脱リン酸化によって、もとの不活性化体に戻ると考えられる。この活性制御機序は、従来型のCaMKIIのそれとは全く異なる(継続中)

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公開日: 2010-01-29   更新日: 2016-04-21  

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