研究課題
基盤研究(B)
我々は、ヘム分解系の律速酵素ヘムオキシゲナーゼのアイソザイムHO-2の欠損(-/-)マウスが低酸素換気応答の低下を、一方、小眼球症関連転写因子(MITF)の変異マウス(black-eyed white, bw)が低酸素換気応答の亢進を呈することを発見した。さらに、以下の成果を得た。1 HO-2欠損(-/-)マウスは軽度の低酸素血症を呈し、肺静脈心筋の肥厚と肺静脈心筋における誘導型アイソザイムHO-1の発現増加を伴う。2 野生型マウス(C57BL/6)を空気下および10%低酸素下で飼育し、心肺肝における誘導型のHO-1とHO-2の発現変化を解析した。ウェスタンブロット解析により、低酸素(10%酸素)曝露1週間後のマウス肝臓においてHO-1とHO-2タンパクの一過性の発現低下を認めた。一方、低酸素曝露4週間後のマウス心筋全体においてHO-1とHO-2タンパクの発現が増加した。3 計9系統のマウスを無麻酔・無拘束の状態で10%酸素あるいは10%炭酸ガス呼吸下における即時換気応答を解析した。低酸素換気応答に系統問に有意な違いを検出したが、高炭酸ガス刺激に対する換気応答には違いを検出できなかった。特に、SWR/Jマウスでは低酸素換気応答が最も悪く、遺伝的要因が低酸素応答に関与することが明らかになった。4 DNAマイクロアレイ解析により、bwマウス皮膚で欠損する分子としてリポカリン型プロスタグランジンD合成酵素(L-PGDS)を同定した。L-PGDSはプロスタグランジンD_2(PGD_2)を合成する酵素である。L-PGDSがMITFの標的遺伝子であり、メラノサイト特異的に発現されることを明らかにした。5 赤芽球性白血病細胞YN-1や肝がん細胞HepG2など種々ヒト培養細胞株を低酸素下(1%O_2)で48時間培養すると、HO-1とHO-2の発現が低下し、それに伴い細胞内ヘム量は増加した。
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