研究課題
基盤研究(B)
細胞増殖因子がRhoファミリーG蛋白を制御する機構を研究した。A431細胞を上皮細胞増殖因子(EGF)で刺激すると、Rac1やCdc42は細胞全体で一過性に活性の上昇が見られ、後に細胞辺縁部に活性が収束してくる像が撮影された。これに対して、RhoAは一過性に細胞の中心部で活性が低下した後に、徐々に活性が回復してくる画像が撮影できた。Racの優勢劣性変異体を発現させるとEGF依存性のRhoの活性低下が抑制されたので、Rhoの活性低下はRacを介しておきていることがわかった。しかし、興味深いことにEGFで刺激をしても細胞膜辺縁部ではRhoの活性は高いままに保たれていた。そこで、この辺縁部でのRhoの活性化の意義を調べるために、Rhoの優勢劣性変異体を細胞に発現させ、その後EGFで刺激した。すると、Racの活性化は認められるがCdc42の活性化は抑制されること、葉状突起の形成は阻害されないが、ラッフリング形成は阻害されることがわかった。一方、Cdc42の優勢劣性変異体をRacの活性化型とともに発現すると、Rhoの活性が辺縁部でも上昇しなくなったさらに、Cdc42の活性化型変異体を発現させると、針状突起が形成され、そこで高いRhoAの活性が観察できた。これらの結果から、Cdc42とRhoAがpositive feedback loopを形成していること、RhoAの辺縁部でお活性化は、細胞膜のラッフリングに重要であることなどが示唆された。これらの結果は、RhoファミリーG蛋白の活性制御機構が空間的に厳密に制御されていること、RhoファミリーG蛋白内にpositive feedback loopがあることなどを示唆している。今後、これらG蛋白間に介在する蛋白の同定を進める予定である。
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