研究課題/領域番号 |
16390096
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
谷澤 幸生 山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00217142)
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研究分担者 |
松原 淳 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (40311815)
湯尻 俊昭 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (80346551)
植田 浩平 山口大学, 保健管理センター, 講師 (50325221)
鶴 政俊 山口大学, 医学部附属病院, 助手 (20379960)
田部 勝也 山口大学, 医学部附属病院, 医員(臨床) (00397994)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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キーワード | 糖尿病 / 小胞体ストレス / 肥満 / インスリン分泌 / Wolfram症候群 / β細胞 |
研究概要 |
Wolfram症候群の原因遺伝子WFS1によってコードされる蛋白は小胞体に存在するため、小胞体ストレス応答に関連する機能を持つのではないかと仮説を立てた。thapsigarginやtunicarnycin等の小胞体ストレスを誘導する薬剤処理をすることにより、ヒト線維芽細胞および膵β細胞株であるMIN6細胞でWFS1 mRNA及び蛋白の発現誘導が観察された。Insulin-2遺伝子に変異を持ち、小胞体ストレスの関与によりβ細胞死をきたすAkita mouse由来の膵島腫瘍細胞では小胞体ストレスの存在が示され、同時にWFS1の発現が増加していた。レポーターアッセイにより、これらの細胞ではWFS1遺伝子プロモーターの転写活性が亢進していた。これらのことから、WFS1の発現は、小胞体ストレスにより転写レベルで調節を受けると結論づけた。 一方、wfs1欠損マウスの膵β細胞はERストレスに脆弱であることが示唆されている。糖尿病の発症はマウスの遺伝的背景に依存し、C57BL/6Jを遺伝的背景とするwfs1欠損マウスの耐糖能異常とβ細胞の減少は軽度にとどまる。このマウスをyellow agoutiマウス(C57BL/6J-A^y)と交配すると、軽度の肥満、インスリン抵抗性の獲得により、全個体で著明な高血糖をきたし、膵ラ氏島では著しいβ細胞の選択的脱落を認めた。これはアポトーシスによることが示された。肥満マウスのラ氏島では小胞体ストレスが増加しており、wfs1を欠損したβ細胞はERストレスに対する応答異常のために容易にアポトーシスに陥ることが示された。 2型糖尿病患者では、膵β細胞は緩徐ではあるが進行性に減少してゆく。wfs1欠損agoutiマウスでのβ細胞死のメカニズムをさらに詳細に解析することにより、2型糖尿病の発症、進展との共通メカニズムの解明が期待される。
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