研究概要 |
(1)CD30過剰発現機構の解析:CD30過剰発現を示すHodgkinリンパ腫およびALCL細胞においては、JunBの発現誘導が見られる。CD30が、ras-MAPKの経路を活性化してJunBの発現を誘導している事を始めて明らかにした。 (2)ATL細胞の遺伝子プロファイル解析:新鮮ATL検体16例と正常人コントロール11検体を用いてアレイ解析を行った結果、解析可能であった約10,000の遺伝子のうち、1.5倍以上の高発現を示す遺伝子が108個、1.5倍以下の発現抑制を認める遺伝子が約250個同定された。 (3)NF-kB表的遺伝子の解析:構成的なNF-kB活性化が認められるHodgkinリンパ腫細胞株、ATL由来細胞株等を用いて、NF-kB阻害の有無による遺伝子発現の変化をマイクロアレイ(CodeLink syetem)を用いて解析した。その結果2倍以上の発現レベルの変化(増加あるいは減少)を示す遺伝子は、それぞれ1,000を超える事が明らかになった。いずれの細胞株においてもpro-apoptoticな機能を持つ遺伝子の発現の亢進と、anti-apoptoticな遺伝子の発現抑制が確認された。また、これまでNF-kBの標的遺伝子とは考えられていなかった多くの新たな遺伝子が明らかになった。 (4)NF-kB阻害剤による治療法の基礎研究:ATLおよびHodgkinリンパ腫に対するDHMEQの抗腫瘍作用をin vitroおよびanimal modelで解析した。
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